No. 1875

子供の“心の壁”が取れ
さらに温かい家庭に(続編)

(佐賀県YK/70代女性/主婦) 

冷たかった夫婦関係が、夫のがんを機に改善した5年前。「仲良し」と言えるまで変わりました。しかし、どうしても取れなかった、心のしこり。長年にわたる、長男との不和によるものです。何か聞けば、「こがんことも分からんと!」と強い口調で返ってきます。夫や私は、話しやすい次男や三男ばかりに声を掛けがちに。長男との会話は激減し、結婚して独立後も、電話に全く出てくれない状態が続いていたのです。 

心の目を自分に向けると

息子が決して崩すことのない、心の壁。「原因は私にある」と、うすうす分かっていました。実は、子供たちが小さい頃、冷えきった夫との関係に耐えられなくて、一人で実家に戻っていたのです。物心がついた長男に、そんな母親がどう映ったか…。親の愛情を味わえず、どんなに不安で、寂しい思いをしただろう。長男に壁をつくらせたのは、冷たい家庭にした私。「親にこんな態度を取って…」と相手を責めていた心の目が、はっきりと自分に向いた瞬間でした。「何でも話せる家庭」を目指して、長男と真正面から向き合おうと、心に決めたのです。

母としての愛を込めて

ほとんど会話のなかった私たち。最初は、話をするにも、勇気が要りました。「強く言い返されたら、どうしよう」。そんな怖がる思いが取れるようにと祈願しながら、声を掛けていきました。「あんたは体育、抜群やったね」「習字も、よく賞状もらってきた」「弟思いの優しい子やった」。大人になった息子には、不自然だったかもしれません。しかし、当時言えなかった言葉の数々を、母の愛を一心に込めて伝えていきました。すると、堅く、けげんそうだった長男の態度が、だんだん和らいでいったのです。少しずつ、ごく普通のやりとりができるようになり、私の質問に、「こうすればよかよ」と、優しく教えてくれるまでに変わりました。 

家族の言葉に“生きる力”が

そんな矢先、夫のがんが再発。しかも、大腸、肝臓、肺へと転移している状況に、言葉を失いました。抗がん剤が効いても6カ月という宣告に、「つらい思いをして、治療せんでよか」と生きる気力を失う夫。私も心が折れかけました。そんな私たちに力をくれたのは、「一分一秒でも長く生きてほしい」という、息子たち家族の言葉。長男も、「父さんの体にいいから、食べさせてあげて」などと、頻繁に声を掛けてくれるのです。その温かな気遣いに、夫も私も、前向きな気持ちを取り戻せました。心が元気だからか、治療の副作用が全くなく、医師が驚くほど。明るく病に向き合う姿に、「患者のお手本のような人」とまで言われました。「温かい家庭」が、どれほど“生きる心”を引き出すのか。大きな力を実感したのです。

本来であれば、5年前になかった命。神の教えを知ったおかげで、夫婦、家族の心が重なり、今回も、病に立ち向かうことができています。余命宣告の期間を越えて、夫は生きています。この掛け替えのない時間を、家族の愛の中で過ごしてほしい。切なる願いを込めて、息子たち家族と気持ちを一つに、夫を支える毎日です。 

夫婦、親子…と、次々に温かく

先日、長男の家に寄った時のこと。「上がらんね」と招き入れてくれて、何と2時間以上もゆったりと話ができたのです。そこに、心の壁はありませんでした。孫たちの様子などを聞く中で伝わってきた、長男の家族に向ける愛情。心がぽかぽかし、いとおしい気持ちが込み上げました。神の手の中で、温度が上がっている我が家。もっともっと温かい家庭になれるように、家族への愛を育んでいきます。 

栄える 家庭の姿には
  家族仲良く
      互いに支えて歩む愛がある
 病気 事故・災難を
       乗り越え 「生きる」
               家族愛
 「真理」が
   その家庭を支え 運命を共有し
        家族の姿を誇りに思う
「教え」が人生を支え
  家族の心を一つにする
        悟り(こころ)を生む

(令和7年6月15日〈中略あり〉)

※過去に掲載されたこの方の内容は、こちらからご覧いただけます。