No. 713

「本物の家族」になって
悔いなく見送れた奇跡
(新潟県MI/60代女性/主婦)

夫が末期がんと宣告されたのは、1月のことです。でも、私の心は「どうしよう」ではありませんでした。「お父さん、心配することないよ。ゆっくり治そう」と励ましている…。今思えば、この心の動きは、神のご守護の中でした。

家族で支えていく決意を持って

夫の病を「家族で」受け止める。神の教えでやるべきことはつかめましたが、心に引っ掛かるものがありました。夫は、お酒を飲むと性格が変わる人で、娘や息子にも苦労させた過去があります。神と出会ってから、家族の関係は徐々に修復されてきたものの、子供たちには複雑な思いがあったことと思います。それでも、私の「みんなで支え合っていこうね」の言葉に、娘は涙を流してうなずき、息子も「分かったよ」と力強く返してくれたのです。

治療のために入院した夫は、「お母さんの作った梅干し食べたい」「蒸しパン食べたい」とLINEを送ってきます。一回一回に「待っててね」と返信し、準備してすぐ病院へ。面会はできないため、LINEが唯一のつながりでした。夫から届いた「神に祈願して、きょうも感謝で頑張ります。子供たちに頼むと伝えてくれ」とのメッセージ。息子に見せると、夫の胸中を察したのでしょう。「だいぶつらそうだね。俺もLINEしておくよ」と心を重ねてくれ、親子だな…と胸がいっぱいになりました。

在宅医療も「宝の時間」に

看護師の娘は、「抗がん剤の苦しさは、本人にしか分からない。在宅医療も一つだよ」と、一番に夫の気持ちを考えていました。その言葉で、私たち家族は夫の希望でもあった在宅医療を選択しました。

夫の手をさすりながら、「お父さん、あそこに行ったね。また行こうね」と、思い出話に花が咲きます。薬の量が日に日に増え、呼吸が弱くなり、口にできるのが一口、二口の水から小さな氷のかけらに…。幻覚が見えるのか、「俺の家内はどこだ」と言うようにもなりました。「ここだよ。お父さんの家内はすぐそばにいるよ」。夫の思いがうれしくて、涙が出ました。

安心感の中で旅立った夫

11月のある日、子供たちが夫のそばに集まった時のこと。その瞬間を待っていたかのように、夫が「迷惑掛けたな」と絞り出すように言うのです。息子が「そんなことはないよ」と返すと、「頼むな。これで安心」。それが最後の会話になりました。

翌日、眠っている夫のそばに孫たちが集まり、「おじいちゃんの足、きれいにしてあげるの」と、洗面器の中で優しく洗っていました。さらに次の日。息子が「ひげが伸びてきたね」と電気カミソリを持ち、そりやすいようにと娘が酸素マスクをずらしていきます。そうしてきれいにそり終わった瞬間、夫は静かに息を引き取ったのです。

家族みんなで何の悔いもなく見送れた奇跡。しかも、神は最後の最後で、我が家を「本物の家族」にしてくださったのです。神の愛の深さに、感謝しかありません。夫が残した「頼むな」の言葉を胸に、家族仲良く、前を向いて生きていきます。

神示で確認 「喜び」の仕組み

――悔いなき人生手にする者は 「家庭」の真理に生きている――
 「家」――「心(運命)」が宿り 育まれてゆく 時(時代)の器である
 「家族」――運命が寄り添い 補い合うほど 「心」が育つ縁である
「和心」育つ家庭を求めて 「真理」に生きる我であれ
 「真理」が家族の心をつなぎ
    和のある家庭が 信者の「心(人生)」を悔いなきもの(時代)へと導いてゆく

『真実の光・神示 平成23年版』48ページ

神示で確認 「喜び」の仕組み

――悔いなき人生手にする者は
   「家庭」の真理に生きている――
 「家」――
  「心(運命)」が宿り
    育まれてゆく
      時(時代)の器である
 「家族」――
  運命が寄り添い 補い合うほど
    「心」が育つ縁である
「和心」育つ家庭を求めて
    「真理」に生きる我であれ
 「真理」が家族の心をつなぎ
  和のある家庭が
    信者の「心(人生)」を
      悔いなきもの(時代)へと
        導いてゆく

『真実の光・神示 平成23年版』48ページ