No. 805

うつ発症から3カ月で復職
私を守る「八分目」の感覚
(沖縄県CG/50代女性/公務員)

2度の腎臓の生体移植を受けて、今ある私の命。1回目は母、2回目は夫の腎臓をもらいました。「夫と家族への感謝を絶対に忘れない。一人息子を一人前に育てる」。ないはずの命を頂いた私は、使命感に燃えていました。

仕事が多忙だからと、家庭をおろそかにするわけにはいきません。出勤日は、夕方いったん帰宅し、食事を作り、子供を塾に送り届けた後、また戻って残業。「無理してない?」と心配してくれる夫に、「大丈夫、大丈夫」。家庭でも仕事でも、100%の力を注ぐことが「命を頂いた恩返し」と思っていました。

家族が隣にいる温かみを感じて

ところが、ある朝、体が動かなくなりました。言葉も出ないし、人の話も頭に入ってきません。うつ病を発症していたのです。

休職し、ほぼ寝ている毎日の中で、目に留まった風景。夫が家事をしてくれている。息子が「無理しないで」と言ってくれる。「ありがとう」と「ごめんね」。なぜか、この言葉だけが出てくるのです。

100%どころか、120%で突っ走り、独走状態だった私の人生。病で立ち止まり、初めて周りが見えて、「関わりの中に自分がいる」と感じました。支えてもらっているから、「私も何か一つでもできることをしたい」。その心に、今までのような気張りはありません。「ありがとう」「ごめんね」を言った数だけ心が軽く、素直になっていくのが不思議でした。

「二分」ゆとりが生まれて

気が付くと、体調も回復。3カ月後には復職することができました。私は、税金に関する仕事をしているため、滞納している方とのやりとりもあります。「払う気持ちはあるんだけど」と言われつつ、なかなか納税されないのがよくある流れ。それでも、私の心が八分目だと、「この方も大変なんだな」と、二分ゆとりを持って対応できるのです。最近では、納めてくださる方が増えてきて、周りには「どんなやり方をしてるの?」と驚かれています。

不思議なもので、「全力で」より、「できる分をやろう」という方が、成果が上がります。家事も、完璧にやろうとするより、「みんなの居心地が良ければ、それでいいじゃん」という気持ちでやっていると、本当にみんな笑顔で過ごせるのです。

過ぎる正義感が、時に暴走。これが、心身ともにつまずく根にあった原因でした。それを変えてくれた神。その時、受け止めてくれた家族には、感謝しかありません。せっかく頂いた大事な命で恩返ししてまいります。

「真理」を学び 「心(人生)」に生かすべし
 生かすほどに 気持ちはゆったり流れ 今ある(存在)ことに感謝が持てる
心の健康――今に満足 きょうに感謝して 全ての出会いに奉仕する人の心(姿)を申す
 「運命」に重なる心の動きが 真の健康を生むのである

「真理」を学び
    「心(人生)」に生かすべし
 生かすほどに 気持ちはゆったり流れ
  今ある(存在)ことに感謝が持てる
心の健康――
  今に満足 きょうに感謝して
    全ての出会いに奉仕する
      人の心(姿)を申す
 「運命」に重なる心の動きが
    真の健康を生むのである

『真実の光・神示 平成24年版』117ページ