No. 681

夫婦で重なる力の大きさ
大変な介護もゆとりの心で
(千葉県TT/50代男性)

「もう限界!」私の父と、認知症の妻の母、二人の世話をしていた妻の怒りが、ある日爆発しました。

全てが「つもり」だった自分

父は、妻子は亭主に従うものという考えの人。尽くしていた母が亡くなってから、家の中で衝突が起こり始めたことは分かっていました。「きょうもお父さんがわがままを言って…」妻の相談を、自分では真剣に聞いているつもりでした。でも、「おやじはそういう人だから」と軽く受け流していたのも事実。心の奥底には、「またいつもの愚痴」という感覚も…。話の途中でついテレビに目が行ってしまい、「ちゃんと聞いてくれないならいいや」と、妻に話を打ち切られてしまうこともあったのです。

妻自身、目に病を抱え、視野が狭くなりつつある中で、心が本当に限界を迎えていたのでしょう。足を運んだ神の館で、職員から、「表情が暗いみたいだけど、大丈夫ですか」と声を掛けてもらいました。それをきっかけに、二人そろって、夫婦で心を重ねる大切さや、病を引き込まない心の在り方などを再確認できたのです。

その晩、時間をかけて、夫婦で話し合いました。当初は、「二人で見ていこう」と格好いいことを言っていたくせに、昼間は仕事で家にいないから…と、全部を妻任せにしていた私です。その分、家事を手伝うようにしていたものの、妻が本当に手助けを求めていた義母の下の世話などは、「お母さんも婿にされるのは嫌だろう」と決め付け、手を出しませんでした。妻のつらさに本気で向き合おうともせず、話を聞いているつもり、手伝っているつもり…。全てが「つもり」だったとようやく気付いたのです。

会話で妻の心が穏やかに

家庭の問題は、夫婦が心を一つにすることが解決の糸口。普段から神の教えで学んでいるとおり、「今後は、妻の思いを本気で受け止めていこう」と心に決めました。

それからは、夕食後も自室に戻らず、なるべくリビングで過ごし、夫婦で話す時間を取りました。「日中、一人で大変だったろう」と妻の心を思いやりながら、真剣に聞くように。「きょうもありがとう」「助かったよ。お疲れさま」など、感謝の思いも必ず言葉にします。「聞いてもらうだけでも気持ちが楽になる」と言う妻の心に、なるべく寄り添うことを心掛けました。

義母の介護もしています。妻も義母も「ありがとう」と喜んでくれ、求められたことに応える重要性を実感した次第です。

最近は、妻がいつも穏やかです。不思議と父の気持ちも落ち着いてきました。そうした中で、眼科の先生から、「病気は治らないけれど、今なら進行を止められる」と言ってもらい、手術を受けられたのです。しかも術後、あの父が、「快気祝いだから、おいしいお肉でも買ってこい」と言い出してびっくり。さらに、「うちのお嫁さんの料理が一番だ」と言ったのです。「うれしい」と、妻も大喜びでした。

いくら夫婦でも、何も言わなくても通じ合えるなどあり得ないこと。聞くこと、伝えることの大切さが心に染みました。何かあっても夫婦で話すと気持ちを切り替えられ、笑い合える毎日。確かな絆の深まりを感じつつ、「仕合せ」を実感しています。

神示で確認 「喜び」の仕組み

「教え」を学び 「真理」に悟りを深めるほど 人の心は安定し 迷いは起きない
家族で「教え」を学び 日々の事物を 折有るごとに語り合う家庭をつくる
 自然と「真理」が家族の心に見えてきて 会話は弾み 愛(信頼)が深まる
 互いに思いを語り 信頼が深まるほど 人は家庭を守る行動を取る

『真実の光・神示 令和2年版』158ページ(中略あり)

神示で確認 「喜び」の仕組み

「教え」を学び
  「真理」に悟りを深めるほど
   人の心は安定し 迷いは起きない
家族で「教え」を学び
  日々の事物を
    折有るごとに
      語り合う家庭をつくる
 自然と「真理」が
      家族の心に見えてきて
   会話は弾み 愛(信頼)が深まる
 互いに思いを語り 信頼が深まるほど
    人は家庭を守る行動を取る

『真実の光・神示 令和2年版』158ページ(中略あり)