No. 605

夫のがん宣告で見えたもの
教えでつかんだ「支え方」
(三重県TW/80代女性/主婦)

「人生の半分が病」だった夫は、数々の山川を乗り越えてきました。とはいえ、ある日、腹痛と吐き気で救急搬送されたと思ったら、突然のがん宣告。これまでにない恐怖と悲しみが押し寄せました。

本音で向き合う時間を頂いた!

私に何ができるのだろうか? 一つでも二つでも気付かせてほしいと、めくり始めた教会図書。夫は、けがで陸上選手の夢を諦め、長年病と向き合いながら、家族に尽くしてくれました。その夫は今、何を考え、どう思っているのだろう…。私は、妻として自分なりに一生懸命支えてきたつもりでしたが、夫の「本心」に耳を傾けてこなかったのです。

今が本音で向き合う時! たくさん話をしました。ある時、夫がふと「病気ばかりしてすまない」と言うのです。「絶対乗り越えられる。大丈夫!」と、力を込めて答えました。「お前はすぐ動揺するから、俺が付いていてやらないとな」「いろんな夢は断念したが、家族に支えられてありがたいよ」。どれも初めて聞く夫の本心でした。「ずっと一緒にいたい」。私も、目いっぱいの本心を伝えました。

娘には「これ以上迷惑を掛けたくない」とも思いましたが、意を決して伝えると、動揺することもなく、「大丈夫! お父さんはたくさん病気を克服してきたから」と言ってくれました。その力強さにどれほど救われたか…。しかも、「お父さんは、お母さんのことを大事に大事に思ってるよ」と、私を励ましてくれたのです。

手紙に込められた家族の愛

夫は、手術のために入院。毎日毎日、夫に手紙を書いては届けました。会えない分、ありったけの思いを込めて…。娘や孫まで、一緒に書いてくれました。それを読んだ夫は、涙が止まらなかったそうです。

直接話せないので、夫が認知症にならないか心配でしたが、取り越し苦労で、むしろ明るく治療に励んでいたようです。退院時には、看護師さんから、「患者さんに、こんなに癒やされることはない。私たちの方が寂しいくらい」と言われたほどです。

気付きを生かして、これからを

振り返ってみれば、夫の病状は奇跡の連続で、大腸を全摘出したものの、転移も痛みもないのです。先生には、「この状況は奇跡なんですよ」「救急搬送された時、当直の医師が腸のベテランの先生で、ラッキーでしたね」と言っていただきました。

80歳を過ぎてもなお、「私が何とかしなくては!」という思いが強かった私。でも、今は動く前に「どう思う?」と家族に聞くようにしています。娘は、「お母さんは、お父さんが病気になるたびに優しくなるね」と言ってくれました。夫とは、「頂いた命。家族や周りの方の役に立ちたいね」と語り合っています。今、夫婦で新たなスタートラインに立った気持ちです。

神示で確認 「喜び」の仕組み

奉仕心に生きるなら
    自然と「愛」が芽生え 互いの心(運命)は交わり 重なり
      互いの思い(実体)も解け合ってゆく
 会話――
    無常に流れる人生の姿(真実)を悟ったときに
      人間は自然と我が心の内を語っているもの(存在)
――人は 一人で生きているのではなく
    多くの力(運命)を頂いて 互助して輝く存在――

『真実の光・神示 平成27年版』100ページ

神示で確認 「喜び」の仕組み

奉仕心に生きるなら
  自然と「愛」が芽生え
    互いの心(運命)は
      交わり 重なり
  互いの思い(実体)も
    解け合ってゆく
 会話――
  無常に流れる人生の姿(真実)を
    悟ったときに
      人間は自然と我が心の内を
       語っているもの(存在)
――人は 一人で生きているのではなく
  多くの力(運命)を頂いて
    互助して輝く存在――

『真実の光・神示 平成27年版』100ページ