(沖縄県MM/60代女性/主婦)
船乗りの夫は、一度海に出ると、長ければ半年会えないことも。そんな夫に心配を掛けてはいけないと、本音を言えず、我慢の年月が続きました。それでも、どうしても相談したいこともあります。ところが、返事はいつも「何でもいいよ」。やっと連絡がついたのに、気持ちを話してもらえないまま、結局私が決めてやるしかない。夫は「頼りにならない人」「何を考えているのか分からない人」という思いが募っていきました。
夫からの駄目出しに反省しきり
思えば、好奇心旺盛で人と関わることが大好きな私と、無口で職人気質な夫。真逆なのだから、擦れ違いは仕方がないにしても、せめて、分かり合える夫婦にはなりたい! そこで、「何でしゃべらないの?」と聞いてみたところ、「自分はパッと言葉が出てこない。考えている間に次の話になっているから、タイミングを逃す」と言うのです。初めて知った本音でした。夫は意見がないものと決め付け、返事も待たずに一方的に話していた…。一人で突っ走る癖が出ていたと気付いたのです。相手のテンポに合わせるゆとりを身に付けたいと思った瞬間でした。また、「何か私に嫌なところがあるんじゃない?」と聞くと、「口が強い!」「わがまま!」と出るわ出るわ。どれほどショックだったか知れません。が、思い当たることだらけだったのです。
求めるばかりと気付いて…
「生き方を変えたい」と、神の教えの学びにも熱が入りました。しかし、夫にも教えを共有したくて話しただけなのに、「俺に言うな! あんたは先生か」と拒絶されてしまったのです。一緒に仕合せになりたいのに…。どうして分かってくれないの? 責める気持ちでイライラし、優しくできません。挙げ句の果てに、「学んでいても、何も変わらない」とまで言われてしまいました。心がかみ合わないまま次の航海へと送り出すのは、とてもつらかったです。
そんなある日、相手が望んでもいないのに、自分の価値観を押し付けていたことに気付きました。一緒に…と求める前に、まず私自身が、夫の気持ちを感じ取れるようになるのが先決と分かったのです。
夫の気持ちに寄り添っていくと
これまでは、家でゆっくり晩酌を楽しみたい夫に、上から目線で「飲み過ぎたら、いかんよ!」と、自分の思いを一方的に伝えていました。でも、注意されてはおいしくないはず。「体に負担になるほど、飲まないでほしいの」。押し付けず、優しい言葉で伝えていくうちに、徐々にお酒の量が減っていったのです。夫が私の思いを受け止めてくれた! うれしかったです。もっと夫を理解したい。気持ちを聞いて、寄り添いたいと思いました。少しずつ、互いに気持ちを言葉にしていく中で、夫が打ち明けてくれました。「余計なことを言ったら、君が困るだろう。自分が我慢すればいいと思っていた」。何に対しても「いいよ」と答えていたのは、大半を海で過ごしていた夫の、私への配慮だったのです。頼りないどころか、本当は妻思いで、愛の深い人なんだと心から思いました。
毎日一緒に過ごせる今を大切に
追い詰めない私になったら、夫は、自分の思いも伝えてくれるし、何でも率先してやってくれるように。さらに、つい突っ走る私に、ブレーキをかけてくれる頼もしさです。ずっと抱えてきた夫への不満は、今は全くありません。
定年後、夫は船の仕事のアルバイトをしています。毎朝私の手作り弁当を持って出勤し、毎日、帰宅。食事も一緒で、夢だった普通の暮らしに仕合せを味わっています。身内との集まりにも積極的に顔を出し、「こんなにいい旦那さんはいない」とみんなに褒められ、夫もうれしそう。心から「格好いいなあ」と思います。これから先の人生航路、大好きな夫との時間を大切にし、生き方を磨き続けていきます。
「教え」を学び
「真実の愛」を身に付け
家族に触れる
家族の心が一つになるよう
愛あふれた言葉を掛けてゆく
態度も和らぎ
互いに手を取り合って
豊かな人生(ひび)を歩んでゆける
(令和7年4月23日)

