No. 291

病になって気付いたものは
家族の支えと奉仕の心
(佐賀県NY/60代男性/バス運転手)

私はバスの運転手をしています。コロナ禍でも、高齢者の通院利用が多いため、仕事に励む毎日を送っていました。

突然の病に不安が増して

そんな中、突然、夜中に血尿が出ました。これは大変だと、急いでインターネットで検索すると、どんどん悪い病気の疑いが出てきて、不安で眠れませんでした。「大きな心で、現実を受け止められるように」「知識に振り回されないように」と、心の安定を必死に神に訴えました。

翌日、病院に行くと、膀胱がんと告げられ、目の前が真っ暗に。幸い初期の状態で、手術することになりました。

入院には教会図書を持参し、ずっと学んでいました。ある日、ふと、「神がよく言われる『奉仕心』って何だろう?」と思い、教えの基本が分かる『理知の真理12』を読んでみました。

感謝の思いが引き寄せたのは…

その中でつかんだのは、「奉仕とは、仕事だけじゃない」ということです。神が教えてくださる奉仕心は、「相手の役に立ちたい」「喜んでほしい」という思いで人に関わろうとする心。それが分かると、「家族に温かい言葉を掛けることも、奉仕心の一つなんだ」とハッとしたのです。

「ありがとう」の言葉から始めようと決め、家族が見舞ってくれるたびに、心を込めて伝えました。妻が洗濯物を持ってきてくれること、手術の前日に息子が「頑張れよ!」と言ってくれたこと。一つ一つがうれしく、感謝でいっぱいでした。

少しでも家族に笑顔になってほしくて伝えていた「ありがとう」を、心から言えた自分。不思議とそこから、日々の出来事が好転してくるのを感じたのです。

家族の支えや医師、看護師のおかげで、がんを克服できました。病を通して学んだことを生かし、家庭でも、仕事でも、相手を思う奉仕心を磨いていく所存です。