30年ほど前、既に家庭を持っていた私の元に、父から突然連絡がありました。土木建設業の会社を手伝ってほしいというのです。両親は、私が高校生の時に離婚。それ以来、父とはほとんど連絡を取っていなかったので驚きました。当時、私は小さな製本工場の工場長をしていましたが、一年かけて引き継ぎを済ませ、父の会社へ…。その後、私が土木の資格を取ると、父は私に会社を託し、引退しました。
自分は善かれと思っていても…
特に不安も迷いもなく、成り行きで社長に就任。私は、製本工場でのノウハウを生かして、無駄な時間が出ないように、きっちり段取りを組みました。しかし、うまく回らないのです。当時5人いた従業員は、私が指示を出しても、うつむいて返事をするだけ。段取りどおりに動いてくれることはなく、やる気も感じません。いつしか、「言っても聞かないのなら仕方がない」「ある程度仕事は回っているから、これでいいのかな」と、関わることを諦めていました。
足りない心を神示に見つけて
会社が近づくと憂鬱(ゆううつ)になる毎日。心が重く、苦しくて、神の教えを学ぶようになりました。目に飛び込んできたのが「感謝、奉仕、愛」の神示。まさに、自分に足りない心です。私は、言いたいことばかり言って、言うとおりにならないと、相手に心を閉ざし、心の中で切り捨てていました。「相手の気持ちを大事にしないと…」「切り捨てる心は駄目だ」と気付き、そこを修正できるように祈願と実践を始めたのです。
「笑顔」だけで様変わりした毎日
まず、できることは?と考え、取り組んだのが「笑顔」です。毎朝、「笑顔で朝礼をできますように」と、出勤前に車の中で祈願しました。すると、嫌な言葉も不思議と出なくなりました。父から会社を引き継いで20年。その間ずっと状況が変わらなかったのに、「笑顔」を意識しただけで、うそのように軽くなっていく心…。しかも、「こうしてください」の一辺倒だった私が、「どうしようか」と従業員に相談できるようにもなりました。それに応えて、みんなも活発に意見を言ってくれるように。たったひと月で、従業員の様子まで大きく変わったのです。
これまでは、私が厳しい表情をしていたから、みんな言いたいことも言えなかったんだ。そもそも、製本という全く畑違いのノウハウを土木の世界に持ち込んで、みんなはどれほど困惑しただろう…と、多くのことが見えてきたのです。
今は、全員が、明るく、責任を持って仕事をしてくれています。返事一つにもやる気が伝わってくるのです。誠実な仕事ぶりも誇らしく、従業員のことを心から信頼し、任せられる。それだけで、仕事が楽しくて仕方ありません。
――人との出会いを大切に 感謝の思いを深めて生きる――
この思いの深まりが 「実体」を修正し 「運命」に導かれて「人生」歩む人を育てる
「教え」を人生の支えに生きるほど 感謝の思いが引き出され 多くの出会いが生きる
出会いを重ね 深めゆく人は
奉仕の心を身に付け 互いの運命を重ねているもの(存在)
――人との出会いを大切に
感謝の思いを深めて生きる――
この思いの深まりが
「実体」を修正し
「運命」に導かれて
「人生」歩む人を育てる
「教え」を人生の支えに生きるほど
感謝の思いが引き出され
多くの出会いが生きる
出会いを重ね 深めゆく人は
奉仕の心を身に付け
互いの運命を
重ねているもの(存在)
『真実の光・神示 令和4年版』113ページ(中略あり)