No. 285

多くの愛があっての自分
厳しい上司から得たもの
(大阪府SE/20代男性/税理士事務所勤務)

税理士事務所に就職した私は、入社して一年後、地元へと転勤になりました。

喜んだのもつかの間、新しい上司は厳しく、自分の未熟さに情けなくなりながらも、次第に「教えて育てるのが上司の責任のはず」と不満が募っていったのです。

目上に引き立てられる生き方を

母に話すと、気持ちを受け止めて、神の館へ連れていってくれました。職員と教えを基に確認する中で、「人のため、会社のためにという心を欠かないこと。20代は素直、正直に、目上に引き立ててもらえる生き方をすること」と助言を受けました。

その言葉に、自分が感情にのまれ、笑顔も、優しい心も欠いて、前向きさをなくしていたことに気付いたのです。

「素直、正直な心で、前向きに取り組めますように」と神に願い、上司に「ご迷惑をお掛けしますが、精いっぱい頑張ります」と伝えました。厳しい言葉を返されましたが、落ち込まず、「やっていこう」と思えたのが不思議でした。

その日、偶然私の採用面接を担当してくださった方と話す機会がありました。そして、「上司との関わりを通して、仕事への責任感や、信頼を得る大切さを学んでほしい。期待しているから…」と、励ましてくださったのです。

周りの愛に気付かなかった自分が恥ずかしくなり、「もっと相手の心が分かる人になりたい」という思いがあふれてきました。

人と関わることが仕事と気付き

その後、再び転勤があり、今回のコロナ騒動では、在宅勤務になるスタッフのサポートをすることになりました。

一人一人の資料の準備などに関わるうちに、苦手と思っていた人の良さが見え、「一時の言葉や態度にとらわれていた」と気付きました。何より「ありがとう」と言われることに、やりがいを味わったのです。所長から、「君に向いていると思ったから任せた」と言ってもらい、これまた感謝でした。「仕事は人の役に立つこと。みんなに関わること」と実感しました。

今は、資格試験へ向けて猛勉強中です。大変なことがあっても、両親に話すと、私の思いを尊重しながら、いろいろアドバイスをしてくれます。だから頑張れます。

技能を身に付け、人の心が分かる税理士になることが、私の目標です。