No. 282

「いい、自分でやる」から
「ありがとう、お願い」に
(静岡県KY/70代女性/主婦)

私は、心臓動脈の病を繰り返し、医師から「いつ動脈瘤が破裂してもおかしくない」と手術を勧められました。しかし、心配症のため、2回にわたる難しい手術が怖くて、なかなか気持ちが動きませんでした。

本音を言える自分を目指し

神の館を訪ねて、職員と話す中で、「不安な気持ちや、手術後の生活を家族に支えてもらえるように、こういう時こそ、本音を伝えることが大切」と、教わりました。

振り返ってみれば、私は家族に甘えるのが下手で、何でも自分でしてきました。夫や子供が「何か手伝う?」と気遣ってくれても、「大丈夫、自分でできる」と断っていたのです。本音を言い合える家庭ではなかったことに気付きました。

思い切って夫と息子に、「正直、手術が怖い…」と不安な思いを話すと、気持ちを受け止めて励ましてくれました。心が安心感に包まれ、「家族のために、もう少し生きられるのなら…」と、手術を受ける勇気が湧き上がってきたのです。

命ある今に感謝。家族に感謝

1回目は40針縫い、2回目は40センチ切るという大手術は成功しました。ところが、縫った所が痛くて、眠れない日々…。そんな私を、夫は家事をして支えてくれました。息子は、車を購入してまで、買い物に連れていってくれるようになりました。

折々に掛けてくれる「痛くない?」「お母さん、荷物持とうか?」という優しい言葉が身に染みました。何より、私を気遣ってくれる家族の思いがうれしかったです。一つ一つに愛が感じられて、心から「ありがとう」と伝えています。

医師からは「車椅子になるかも」と言われていたのに、自分の足で歩けることも本当にありがたく、命があることに感謝です。夫や子供たちとの心のつながりを感じて、「家族のために元気にならなくては」と、生きる気力にあふれる毎日です。