No. 1109

「五重塔の土台を固める」
そこから引き寄せた仕合せ
(埼玉県KO/80代女性/主婦)

2人の息子が家庭を持ち、ほっとしたのもつかの間。息子からも嫁からも、互いへの悪口をぶつけられる毎日が始まりました。次男の嫁から、「離婚したいと思ってる」と言われた時は、心配なあまり、教務相談へ。その時、職員に言われました。「五重塔で例えると、上の部分を修復しても、土台がしっかりしていないと、崩れてしまいますね」。自分と夫との関係を言われていると、すぐに分かりました。 

息子のためにと奔走しても

夫は、真面目で、身内を大事にしてくれる人。ただ、親が決めた結婚だったので好きになれず、仲の良い夫婦ではありませんでした。お酒が大好きで、飲むと息子の悪口ばかりになるところなど、嫌でたまりませんでした。 

「まずは五重塔の土台を…」という職員の言葉がよぎりながらも、目下の悩みは息子たち。嫁との仲を取り持とうと奔走したものの、結局、2人とも家を追い出され、我が家に戻ってきてしまいました。「何でこうなるのか!」と、ますます荒っぽくなる夫。「自分の子供に何てことを言うの!」必死になって息子をかばいました。 

少しでも心を癒やしてやろうと、息子たちに時間をかけて手料理を作りました。その分、夫のご飯は簡単に。そんな時、息子に言われました。「親父は寂しいんだよ」。子供は、対等な目で親を見ていたのです。 

私が一番苦しかったのは… 

月日は流れ、次男は離婚し、長男はいまだに別居中。そんな中、夫に肺がんが見つかりました。それでもなお、息子を悪く言う夫に耐えられなくなりました。この時初めて、祈願で神に本音を訴えました。 

単に「苦しい」と打ち明けたのではありません。子供にだけ心を向けて、夫に申し訳ない。私が悪いと思いながらも、そんな自分を、「認めたくなかった」。私が一番苦しかったのは、そこだったのです。 

ようやく味わえた家庭の温かさ

「母親と子供が輪になって、父親の入る隙がない」。この我が家の状態に、思い当たるものがありました。息子家族も全く同じ。私が夫に対してしたことが、図らずも繰り返されていることに気付いたのです。 

その後、夫は在宅介護になりました。以前は、「下の世話は絶対嫌」と思っていたのに、不思議と「お父さんに喜んでもらえる介護をしよう」と感じました。夫はニコニコ、笑ってばかりいます。悪態ばかりついて、「ありがとう」の言葉を知らない人だったのが、「悪いなあ。ありがとう」と、何度も言ってくれるのです。息子たちが子供の頃の話をすると、またうれしそうに笑います。「家族ってこんなに温かいものなんだ…」と感じて、じーんとしました。 

それから4カ月後、夫は旅立ちました。寂しさはあっても悔いがなく、「五重塔の土台」が固められた思いがしたのです。不思議なことに、程なくして長男夫婦が和解し、別居は解消。そして今、私は、再婚した次男夫婦と穏やかに暮らしています。これまでとは違う和みの中にある、私の人生です。いろいろありましたが、全てが良い方向に向かっている今が、一番仕合せです。 

「真理」に 人生の支え 気付きを得て 家族と正しく関わるなれば
 夫婦の心は一つに重なり 家族の心は一つにまとまり 「心の道」に良き因を残してゆく
 実体は ますます引き上げられて 家族の心(運命)が家族の人生を「正道」へと導く
信者は 「教え」に悟りを深め 真実の愛を家族と共に育むべし

「真理」に 人生の支え 気付きを得て
      家族と正しく関わるなれば
 夫婦の心は一つに重なり
  家族の心は一つにまとまり
   「心の道」に良き因を残してゆく
 実体は ますます引き上げられて
  家族の心(運命)が
    家族の人生を「正道」へと導く
信者は 「教え」に悟りを深め
    真実の愛を家族と共に育むべし

『真実の光・神示 令和4年版』33ページ(中略あり)