1月末、目の中が黄色いと妻に言われ、近くの病院へ。黄疸症状で、大きな病院で検査をすることになったのです。
医師やスタッフへの全幅の信頼
医師から膵臓がんの可能性ありと告げられ、一瞬頭が真っ白に。しかし、なぜか冷静な自分もいて、今後のことをしっかり考えようと、すぐに切り替えられ、何か不思議な力が働いているような気がしました。
妻も動揺していましたが、担当医からの分かりやすい説明で、全幅の信頼を寄せ、抗がん剤治療をすることにしました。
私は、視覚に障害があるため、ケアには通常の何倍も時間を要するのに、スタッフの方々は嫌な顔をせずに世話をしてくれたのです。
時にはスタッフとのペースが合わず、イライラしたことも。しかし、ひと呼吸置いて、神の教えを思い出すと、「こんなことで腹を立ててはいけない」「自分の悪い感じ方が出てるな」と反省できました。「きょうは、このペースが、私には良い治療なんだ」と思えるようになりました。
みんなの思いがありがたく
入院中、妻は毎日病院に足を運び、私を支え続けてくれました。それまで、こんなにたくさん2人で過ごしたことはなかったので、ぜいたくな時間を共有できました。母や娘からも、たくさんの勇気をもらい、家族そろって談話室にいるとにぎやかで、ここが病院とは思えないほどでした。
難しい検査の時は、家族全員が駆け付けてくれ、その思いが医師にも伝わったのか、良い治療につながったのです。通勤で世話になっている駅員さんたちも、私が突然来なくなって、心配してくれていたと聞きました。私は、多くの人の支えがあって生きているのだと、あらためて感じました。
うれしい職場復帰
退院後、通院で抗がん剤治療をしながら、3月に念願の職場復帰を果たしました。治療しながらの仕事は不安もありました。そんな時、年1回の会社の表彰式が行われ、思いも寄らず、最高の名誉である「社長賞」を受賞。仲間の温かい励ましにも、大きな力を頂いたのです。
神の教えがあればこそ、流れにのまれるのではなく、自然と流れに乗っているような毎日を過ごしています。これからは、関わる全ての人に、感謝を込めてご恩返しできるような生き方をしたいと思います。