No. 1098

引きこもり気味の人生
心の扉を開いて見えた世界
(京都府MK/50代男性/アルバイト)

性格というものは、なかなか変わりません。大勢の中でワイワイしたり、人と話したりするのは昔から大の苦手。おまけに体が弱く、病気がち。そんな人生でした。

受け止めていなかった父の心

ただ一つ、絵を描くことは好きでした。高校卒業後はその道に進もうとしたものの、父に猛反対され、仕方なく電力会社に就職。ものの半年ほどで退職し、定職に就かずにいたのです。

父は、「親はだんだん年を取る。自立せなあかん」と毎日のように言ってきますが、そんなことは言われなくても分かっています。「俺には俺の考えがある。ほっといてくれ!」。うっとうしく思っていました。

初めて見えた「人の思い」

バイクの運転中、ダンプカーと正面衝突。誰もが「助からない」と思ったそうですが、奇跡的に一命を取り留めました。1年以上の入院。天井を見詰める毎日の中、見えてきたのは、必死に尽くしてくれる父と母の愛情、そして周りの優しさ…。「人の思い」が心に染みました。神が、「もう少し長生きさせてあげるから、恩返ししなさい」と教えてくださっているようにも感じたのです。

「神の教えで心をきれいにしよう」と思い、両親と学び始めました。「俺には俺の考えがある」と思っていましたが、「父には父の思いがあった」。そこに少しずつ気付き始めたのです。以前より、父との時間が心地よいものに変わっていきました。

父、そして母へと恩返し

その父が、大腸がんで余命宣告。痩せ細っていく中でも懸命に、お世話になった人にお礼を伝えていました。そういう生き方を私に見せてくれたのでしょう。亡くなった今、父への感謝が一段と膨らんでいるのです。

家族を支える喜びを知り、そこから人と関わる心も持てて、今は、駐車場管理の仕事と、自治会の役員もしています。家では母と二人暮らし。畑が大好きで、農作業に精を出している母です。「お母さんのおかげで、おいしい野菜が食べられるわ。ありがとう」と、そんな会話をしています。父と最後に交わした「お母さんを守っていくから」という約束を、必ず果たす思いです。

つらい過去が「いい過去」に

父亡き後、日記が出てきました。闘病の苦しさが書かれている中に、「きょうも息子が見舞ってくれた。こんなにうれしいことはない。うれしい、うれしい…」。涙が出ました。本当に大切に思ってくれていたのだと、父の愛が心に染み渡ったのです。

遠回りした人生かもしれませんが、つらかった過去も、今は全て「いい過去」。その過去があるから、今の仕合せがあると思っています。まるで性格も変わったように感じるほど、心が軽やかです。肉体の成長は止まっても、心の成長は一生もの。もっときれいな心になりたいと思うのです。

母より

神の教えを学んでおりますと、「つらい過去も、受け止めて反省しよう」という思いが芽生え、「教会の十教訓」を意識するようになりました。おかげで80歳を過ぎた今、心が穏やかです。「子供たちが私を囲んでくれている」と感じる毎日。精を出して作った野菜は、大半は小鳥に食べられてしまいますが、残った分を息子たちが「おいし、おいし」と食べてくれます。それがうれしくて、うれしくて。夫の魂にも、「何の心配も要らんで。ようしてもらっとるから」と、手を合わせて伝えています。

家族で「教え」を学び 和のある家庭を築く努力をする
 家族一人一人の人生は 神の手の中 守られ 導かれ 「運命」に重なる人生が歩める
 家族一人一人の人生が重なり 関わりを強めて 「心の道」に良き因を残してゆく
人生の終日を迎えた時
  故人も 家族も 共に歩んだ人生に「思い」を返し 感謝 感動の心を深めてゆく

家族で「教え」を学び
    和のある家庭を築く努力をする
 家族一人一人の人生は
  神の手の中 守られ 導かれ
    「運命」に重なる人生が歩める
 家族一人一人の人生が重なり
          関わりを強めて
   「心の道」に良き因を残してゆく
人生の終日を迎えた時
  故人も 家族も
   共に歩んだ人生に「思い」を返し
     感謝 感動の心を深めてゆく

『真実の光・神示 令和3年版』64ページ