船乗りの夫は、一度出港すると、数カ月は海の上です。その間、家を守るのは私。離れ離れの生活を続ける中で、心の距離も少しずつ広がっていきました。そしてある時、ささいなことから、ため込んだうみが吹き出し、夫の前で不満を爆発させてしまったのです。夫は無言で聞いていましたが、その後、見つけてしまった走り書き。そこには、「頭に来た。忘れられない」と本音が書いてあったのです。
教務相談で見えた自分の性格
その後受けた教務相談で、「心にハサミを持っていませんか? 話を最後まで聞かずに…」と言われました。いつも急に機嫌が悪くなる夫です。夫が短気なのは重々承知していましたが、まさか私が原因?
言われてみれば、私の心の中に「夫を思う」スペースはありませんでした。船の仕事は、「板子(いたご)一枚下は地獄」と言われるほど命懸けです。家に帰ればゆっくりしたいだろうに、私は「休暇中はあなたが料理してよ」などと言っていたのです。
自然と込み上げる夫への思い
「夫の気持ちを理解して寄り添いたい」と、純粋な感情が生まれてきました。そんな気持ちで夫を見ていると、寂しそうな横顔に気付きました。「そういう思いをさせてきたのかも…」と感じる私がいました。
若くして事故死した義弟を思い出しました。夫が長年抱えてきたであろう心の傷。そこに思いをはせるうちに、「2人で楽しく笑い合いたい。好きで一緒になったのだから」と、強く強く感じたのです。
器用な夫は、家ではペンキを塗ったり、田んぼに出たり、忙しく動きます。「一服したら?」と、本音の感謝でお茶を一杯。好きな肉じゃがを振る舞うと、「やっぱりおまえの手料理はおいしい」。何と愛の言葉が返ってきたのです。
実は夫には浪費癖があり、それも私の不満でした。でも、今、「お父さん、おしゃれもほどほどにね」と言いながら、2人で楽しく買い物する日々に変わっています。不思議と、浪費癖も収まっているのです。
「頼りになる夫」に大変身
今年に入り、次女が仕事で悩み、精神的に参ってしまいました。でも、夫は海の上。連絡すると、「今は、心も体も休ませてあげよう。お母さん頼むね」と言ってくれました。その時の心強さといったら! 娘も、少しずつ元気になっていったのです。
カレンダーを見ながら、「早く帰ってこないかな」と夫を待ちわびています。前は、「もうすぐ帰ってくる…」と憂鬱(ゆううつ)だったのに。家の居心地がいいのか、子供たちも、前より泊まりに来ることが増えてきて、それもうれしいです。これからどんなことがあろうとも、夫となら乗り越えられると感じています。
心で生きる人間は 魂安らぐ「家」を求めて生きている
「愛ある家」築けたならば 人は誰も 心明るく ゆったりできる
家庭の貴(とうと)さ気付いて 神の教えを我が家に入れる
神の手の中 真実の愛に心(魂)触れ 純な愛が家族をつなぐ
「家庭の真理」学び深めて 家族それぞれ 立場踏まえて生きるべし
神の心 我が家に根付いて 和のある家を手にできる
心で生きる人間は
魂安らぐ「家」を求めて生きている
「愛ある家」築けたならば
人は誰も
心明るく ゆったりできる
家庭の貴(とうと)さ気付いて
神の教えを我が家に入れる
神の手の中
真実の愛に心(魂)触れ
純な愛が家族をつなぐ
「家庭の真理」学び深めて
家族それぞれ
立場踏まえて生きるべし
神の心 我が家に根付いて
和のある家を手にできる
『真実の光・神示 平成17年版』177ページ(中略あり)