No. 1822

重病がもたらしたのは…
“心を重ねる”成果を実感

(神奈川県FM/60代女性/主婦)

1年ほど前、正月三が日が終わろうとしていた夜、左腰に激痛が走りました。救急搬送されて分かったのは、左の腎臓の動脈破裂。血圧と意識レベルが下がり、後のことはよく覚えていません。目覚めてから聞いた話では、医師も対応に迷うほど危険な状態の中、なぜか自然と出血が止まったとのこと。九死に一生を得たのです。しかし、その後の検査で、今度は右側の腎臓に腫瘍が見つかり、入院と自宅療養で、左側の機能回復に努めることとなりました。

全部一人でしようとしていた私

数カ月後、腫瘍摘出の手術が決定。当日に向けて教務相談を受けた際、大きな気付きがありました。夫婦の会話を大切に、“心を重ねる”こと。夫と私は、決して仲が悪いわけではありません。しかし、本音の会話をしているか?と問われると、“思い”を伝え合ってはいませんでした。

認知症の実母と自閉症の息子がいる我が家。私の入院中は、夫と娘が、慣れない家事と二人の世話をしてくれました。「大丈夫?」と尋ねる私に、夫はいつも「こっちは大丈夫」。けれど、いざ退院すると、相当苦労した様子がうかがえました。心配を掛けまいと、黙っていたのでしょう。でも、実は私も…。「この体で、どこまで家族の面倒を見られるか」という不安を相談できずにいたのです。「みんな忙しいから」「私の親のことだから」と、家事も介護も一人で抱え込んでいた私。ここまで体調を崩す前に“思い”を伝え、協力を頼めばよかった…と気付いたのです。

思い切って夫を頼ると…

手術までには、体調が優れず、歩くのもしんどい日もありました。そんな時、思い切って、夫に声を掛けたのです。「ごめん、助けてほしい」。すると、さっと手を差し伸べてくれました。母や息子のことも、「お願いできる?」と頼めば、快く「分かった」と言い、私よりずっと丁寧に世話をしてくれます。私は、この優しさを見過ごしていた…。黙って支えてくれていた、夫の大きな愛に触れた思いがしました。

手術の前に、夫婦で説明を受けた時のこと。腫瘍が大きく、出血多量になれば命の危険もあるとの言葉に、夫は私より心配そうでした。「大丈夫?」と聞くと、「俺の方がドキドキするよ」。初めて聞いた夫の“本音”。私を思ってくれている優しさも伝わってきて、うれしかったです。

家族の支えが“生きる力”を

娘も家のことをテキパキこなし、精いっぱい支えてくれました。「仕事で疲れているのにありがとう」と声を掛けると、「しっかりした娘なんだから大丈夫!」と明るい返事が。「大変だろうから」は、私の勝手な思い込みでした。家族なんだから、素直に頼り、心を込めて「助かった」と伝えればよかったんだ…。そのことに、深く気付くことができたのです。息子も、「頑張れ、母ちゃん!」と何度も励ましてくれ、どれほど心強かったか知れません。

迎えた入院の日。「ありがとう。何の心配もなく入院できるわ」と、笑顔で伝えられました。私にとって、心からの“本音”でした。手術は、医師が驚くほどの大成功。術後の経過も良く、わずか6日で退院できました。それ以上の治療も必要なく、半年に1度の検査のみ。「家族で心を重ねる」成果の大きさを味わいました。

一度はないものと思った命です。夫と二人で交わす何げない会話。「そうだね」と共感し合う一つ一つに、心のつながりを感じます。家族から“生きる力”をいっぱいもらった今回の出来事。今度は自分が、頂いたこの命で皆の支えになりたいと思います。

「教え」に気付きを得て
  「真理」に生きる家庭を築く
             努力をする
 自然と
  家族の気持ちは一つに重なり
    互いに思いを語る会話が増える
 運命に重なる心の動きが取れて
    病気 事故・災難が消えてゆく
 家族一人一人の心は常に安定し
     不安に迷う思いは起こらない
人・物との出会いを
   感謝心で受け止め
      互いの運命が調和してゆく
 そこに
  「生きる」自信と勇気が芽生え
    「運命」に重なる心が
       体(肉体)を健康にする

(令和4年5月23日〈中略あり〉)