No. 1823

「最悪」の出会いが一変
共感し、笑い合える間柄に

(広島県TG/60代女性/パート)

介護職を勤め上げ、お総菜店でパートを始めて数年。この頃はすっかり慣れて、やりがいを感じる日々でした。ところが…。今年の夏、他店から来た人とペアになってびっくり。彼女は挨拶をしても知らん顔、おまけにタメ口で話すのです。「何、この人!」。口にこそ出さなかったけれど、初対面の印象は最悪。店長に、「教育を任せる」と言われた手前、声を掛け続けていましたが、勤務態度は変わりません。それどころか、同じミスを繰り返すので、出勤するのが憂鬱(ゆううつ)になってしまいました。

「悩みの原因」はどこに?

不穏な気持ちで過ごして数カ月。勉強会で、「悩みの原因は“自分の心”にある」と聞いて、ハッとしました。私は、「どうしたら相手が変わるか」とばかり考えていたからです。少しずつ心が動き出した、ある時。彼女を手伝おうとすると、「自分のことをして!」と強く言われました。ムッとした心を祈願するうちに、気が付いたのです。私の方が、仕事が残っていたことに。もしかして、それを気遣ってくれた? ふと、心に浮かんだ思い。自然と、「私のことを考えてくれたんだね、ありがとう」という言葉が出てきました。「いや、私こそ」。驚いたような表情に、初めて彼女の“心”に触れられた気がしたのです。

この出来事が、自分を深く見詰めるきっかけに。薄々分かってはいたけれど、私は「自分が正しい」という思いが強く、考えを通そうとすることも多かったです。仕事に打ち込んできた分、人と張り合う気持ちもありました。そう気付いたら、相手を自分の物差しで測らずに、“心”を感じ、受け入れたいと思いました。不思議と彼女にも変化が。挨拶には、「お疲れさま」と返ってくるし、ミスを繰り返していた仕事も、「これで合ってる?」「見てほしいんだけど…」と頼ってくれるようになりました。

穏やかな心で向き合うと、彼女は時間に正確で、やるべきことはちゃんとやる人。少しずつ良さが見えて、会話も増えていきました。「私、人の好き嫌いが激しいんだ」と話してくれた時は、「同じだ」という共感まで。私自身も、彼女を苦手と決め付けて、距離を縮めようとしなかったからです。それどころか、自分にも人にも、「こうあるべき」と求める思いが強く、それで苦しくなっていました。気付きが深まるほど、心の幅が広がって、「そういう考え方もある」と感じられることが増えたのです。人との関わりがぐっと楽になりました。

心の成長を実感できる仕合せ

少し前、彼女が店長から、「すっかり仕事を覚えたね。誰のおかげだと思う?」と尋ねられたそうです。「『店長です』と言ってほしそうだったけど、あなたの名前を言っておいたよ」と、笑って話してくれました。こんなふうに話せるなんて夢のよう。それに、気付いたら、言葉遣いまで随分丁寧になっていました。彼女が変わったというよりも、「これが本来の姿なのかも」と感じられる自分は、ちょっとは成長できたかな。そう自負できることがうれしいです。人と関わることが楽しい今、心がとても温かく、大きなご守護を感じています。

神の「教え」を学び
   「真理」に悟りを得る人を目指す
 この心の動きが 感謝心を引き出し
   人(人々)との出会いを
            広げ 深める
――常に気持ちは安定し
   人・物との出会いを生かす
            心が動く――
 感謝心が奉仕の心を芽吹かせ
     「正道」をゆ(歩)く
          人(人間)を育む

(令和4年3月23日〈中略あり〉)