(秋田県FC/60代男性/会社員)
定年をとうに超えた私に頂いた、延長雇用の話。本来ならありがたい、せっかくのお誘いです。しかし、18歳の時に父を亡くし、長男の自分が家族の生活を守らなければ…という一心で、身を粉にして働き続けてきた人生。正直、そろそろ自由になりたい…といった思いもあって、気持ちの整理がつきません。体力的にきついだの、若い同僚のやり方に付いていけないだの…、妻に吐き出すように愚痴をこぼしました。そんな私の話を聞いて、毎回アドバイスしてくれる妻。それなのに、「分かってもらえない」という思いがどうしても湧いてきます。その上、夜は頻尿のせいで睡眠が浅く、身も心も疲弊。イライラが募り、つい妻の言葉を感情的に遮ってしまう…。挙げ句の果てに、「一人になりたい」と、近くの温泉に逃げるようになりました。
我に返って気付いた自分の本質
しばらくたった頃、妻が、私のために、少し家から離れることを考えたと言うのです。「そんなつもりはない」と慌てて弁解。そこまで悩ませていたのかと、ようやく我に返り、心から妻にわびました。予想もしていなかった大ごとになって、やっと本音を伝えられるようになったのです。短気な上に、ため込んだ気持ちを消化できないまま、殻に閉じこもってしまう私。しまいには、消えてなくなりたくなることもある…。言葉にしたことのなかった思いを伝え合っていくうちに、自ら命を絶った叔父のことを考えていました。妻がいなかったら、私もどうなっていたか…。先祖から受け継いだ弱い性格傾向が、自分の中にもあると、はっきり認識できたのは、まさにこの時でした。
私は、妻と初めて会った時に、「この人を仕合せにするために、もっと成長しなければ…」と、身を入れて神の教えを学び始めました。それがなければ、今の自分はいません。しかし、それでも気付けなかった我が家に伝わる根深い本質。「今こそ変わりたい」と心に決めて、思ったことを言葉にする努力を続けていきました。妻は、私の顔を見ながら、ゆっくりと話を聞いてくれます。おかげで、自分の気持ちを分かってもらえているという安心感に包まれていったのです。
視点一つで居心地が激変
そして、通院のために仕事を休んだある日のこと。ふと、自分がいない分、同僚たちが支えてくれていることに、これまでにない感謝が湧いてきたのです。自分のやり方にこだわり、意見が通らないと不機嫌になっていた過去を反省。同僚の活躍する姿に、人の良いところを見ようとする気持ちも膨らみました。その頃から、人の話が聞ける私になれたように思います。穏やかな心が戻ってくると、体調も安定。延長雇用の話も、感謝でお受けしました。
今回ばかりは随分苦しみましたが、自分の悪い実体(※)としっかり向き合えたのは、大きな収穫。妻が寄り添ってくれたから、殻を破ることもできました。自身の視点が変われば、家も、職場も、居心地が良いものに変わる。その喜びは格別です。毎朝、妻のエールに、「きょうも頑張ろう」とやる気が込み上げます。疲れて帰っても、「お帰り!」の明るく元気な声に、自然と笑顔になれるのです。妻と出会えて本当に良かった。これからも、夫婦で神の教えを軸に、感じ方を高め、ますます充実した人生にしていきます。
※実体;親、先祖から受け継ぐ、気質、体質、性格。また、成長過程で身に付けていく、物の見方や感じ方のこと。実体には、良いものと悪いものとがあります。悪い実体を修正するほど、自分の良さが光り、喜び多い人生を歩めます。詳しくは、『生命の歩み』127ページで確認しましょう。



縁を深める極意は一つ
――会話を楽しむ――
我が思いを相手に求めるために
会話ができずに苦しむ
奉仕心に生きるなら
自然と「愛」が芽生え
互いの心は交わり 重なり
互いの思いも解け合ってゆく
会話――
無常に流れる人生の姿を悟ったときに
人間は自然と我が心の内を
語っているもの
――人は 一人で生きているのではなく
多くの力を頂いて
互助して輝く存在――
この一言「真理」を心に留めて
会話を楽しむ我(二人)であれ
『真実の光・神示 平成27年版』100ページ(中略あり)



※この方の奥さまからの「神の実在体験談」も、併せてご覧ください。