No. 1810

我慢、我慢の人生から
心軽く、充実した毎日へ

(兵庫県SM/50代女性/障害者施設支援員) 

三人姉妹の末っ子の私は、姉と比べて勉強も運動もまるで駄目。だんだん「私なんて…」と、自分を卑下するようになりました。結婚してからは、男尊女卑の家風の中で、「私が“我慢”すれば、家庭はうまく回る」という思いが染み付いていったのです。そんな結婚生活が長続きするはずがなく、娘を連れて飛び出すように離婚。実家で母の世話になりながら働き、子育てをする日常に。父親がいないという娘への負い目、生活を親に支えてもらっている申し訳なさ…。さまざまな思いが心にふたをし、喉まで出かかる本音をいつものみ込む人生を送ってきました。 

突然の病気がきっかけに

「こんな自分でも、健康だけが取りえ」と思っていた私が、今年に入り、急に体調を崩しました。気持ちまで沈み、うつっぽくなって、仕事にも行けなくなってしまったのです。病院にかかると、自己免疫疾患の一つ、シェーグレン症候群と診断。根本治癒しない病で、合併症の懸念もある…と聞いて、不安が募りました。しかし、そんな状況でも、子供や高齢の母には、心配を掛けたくない思いが勝ります。信頼している友人の「話した方が、家族もうれしいと思うよ」というひと言で、ようやく伝える気になったのです。 

思い切って打ち明けると、二人とも、親身に気遣ってくれました。偉光会館へも「一緒に行ってほしい」と頼んだら、娘が快諾。共に入った教務相談では、「家族の関わり」が支えとなって、「生きる力」を引き出すこと。家族に本心を話せず、頼れない私の生き方が、子供にまで影響してしまうことに気付きました。それではいけない。娘のために、親としてできることをしよう! その思いの高まりとともに、「私なんて…」と卑下する感情が消えていきました。 

抑えていた気持ちを話すと…

早速、それまで抑え込んでいた気持ちを伝え、体がしんどくて家事ができないときには、母を頼っていきました。きょうだいにも病気のことを話すと、「一人で抱え込まないで、一緒に考えようよ」と言ってもらえ、心が軽くなったのです。家族の愛に包まれる中で、体調は見る見る回復。何の投薬も要らなくなり、経過観察に。職場にも復帰できました。わずか1カ月の出来事に、家族との心のつながりが、“生きる力”をどれほど引き出すか。身をもって体感したのです。 

分かれ道で仕合せへ踏み出せて

実は、母は心臓が弱く、この後手術が予定されています。似た者同士の親子で、無理をして、明るく振る舞おうとする母。「お母さん、そこはもっと頼ってくれていいんだよ」などと話す毎日です。娘とも、ささいなことも共有しながら、今度は母の心を支えていきたいと思うのです。 

もし信者でなければ、我慢、我慢の連続で、家族との縁が深まらず、うつ病になって復職できず、生活も苦しくなる一方…と、先の見えないトンネルのような人生になったと思います。それが今は、家族仲良く、健康も回復し、仕事もやりがいを持って…と、充実した日々を送れています。大きな分かれ道で、仕合せの方へ導いていただきました。今回の経験を通し、「助けてほしい」と素直に頼れる家族がいること、心から心配してくれる存在のありがたさを知りました。また、家族と関わろう…と、神の教えを実践すると、すぐに好転する不思議を味わえたのです。自分の生き方はもっと変えられる。そんな手応えもあって、この先がとても楽しみです。これからも、神の教えを人生の支えに生きていきます。 

「教え」を学び
 家庭の「真実」あるべき姿が
            分かるほど
  互いの運命は重なり 会話も増えて
       「真実の愛」が育まれる
実体は 家庭で修正され 高められる
六つの花びらが咲く家庭の姿を知って
 「教え」を「人生」の支えに生きる
              我であれ

(令和4年3月29日)

※六つの花びら;神が人としての仕合せを六つの花びらに例えてお教えくださった、基本真理の一つ。夫・妻、男女の子供、健康、職業、生活、希望の六つに恵まれることが、人としての仕合せなのです。六つの花びらは、順にかなっていきます。夫婦が仲良く暮らすと、親子の仲も良くなります。そのような家庭を築けると、健康に恵まれ、人の役に立とうという意欲も枯れません。社会で活躍できるので、生活に困ることもなく、大きな希望を持って人生を歩めます。詳しくは『生命の歩み』84ページで確認しましょう。