No. 1809

夫婦げんかの中で育った私
持つべき心をつかんだら…

(群馬県CM/30代女性/講師) 

私は、幼い時から、両親がけんかする声を聞きながら育ちました。我が子のために天気一つも気に掛ける母と、全く関心のない父。何かあるたび、「どうして心配しないの!?」と怒る母の声が響いていたのです。高校生にもなると、母の愚痴を聞いて仲裁に。しかし、父には届かず、私はおろおろするばかり。2人の不仲を、自分のことのように抱え込んでいました。 

押し殺した気持ちと向き合って

私が自分の気持ちを言えなかったのには、理由があります。以前、私のしたことで、母が機嫌を損ねてしまい、それ以来、自信をなくしていたのです。「けんかしないで」などと言おうものなら、居場所がなくなるんじゃないか、離婚してしまったら…と、不安の方が大きかった…。だから、両親への不満をぎゅっと我慢。それがいつしか怒りとなって、心の奥底にたまっていったのです。 

苦しくて苦しくて、抱えきれなくなった思いを、偉光会館の職員に打ち明けたのは、今年の初めでした。そこから、押し殺していた気持ちと向き合い、神に本音を吐露するようになったのです。すると、吐き気をこらえているようなつらさが和らぎ、神の教えを真剣に学ぶ気持ちになりました。 

教えを取り入れる努力が成果に

一つでも気付きたいと願い、教えを学ぶと、「自分から声を掛ける」「惜しみなく関わる」など、生き方に取り入れたいワードが次々と心に留まります。それをメモして、祈願する繰り返し。そんなある時、「両親がいたから私が生まれた。親との出会いは、私の人生の基なんだ」とハッとしたのです。そこで、本気で両親と向き合うことを決意。少しずつ、「自分の思い」を話していきました。「元気でいてくれた方がうれしいから、無理しないで」「もう少し優しく言ってもらった方が素直になれる」。すると、親も、「そうだね」「じゃあ、そうするね」と、穏やかに受け止めてくれました。 

その時々の反応を気にするのではなく、気持ちを伝えられた自分を褒めようと思えたのも大きな変化。「相手に求めるのではなく、自分が実行すること」。学びを生かせたことがうれしかったです。できないながらも努力していると、必ず実を結ぶ。かつて自分に向けていた「神の教えを学んでいても、全然駄目…」という考えが、「私もやるじゃん!」に変わりました。 

自然と湧いてくる父母への感謝

両親の良いところも見えてきました。幼い時から私の気持ちに寄り添ってくれた父は、淡々とやるべきことをする人。母は、時に感情的になるけれど、とことん情が厚い人。ふと思い出したのは、中学時代、お弁当箱に入っていたメモのこと。「お母さんもお父さんも、あなたのことが大好きだからね」。当時、どれほど勇気づけられたか…。あらためて2人の愛情が身に染みました。 

ある日、母から、「随分家の中が変わってきたよね。あなたの前で夫婦げんかして…、嫌な思いさせたね」と、思いがけない言葉が。当時のつらさを分かってもらえたようで、本当にうれしかったです。そんな母は最近、父の良さを認め、感謝を口にします。父は父で、誰にでも温かい関心が持てる母をすごいと褒め、自分から家族の話の輪に入ろうと心掛けてくれています。そして私は、両親を大切にしたい思いが、自然と湧いてくる不思議を味わっています。 

仕合せに近づく努力を家族と

今、両親のけんかは、めっきり減りました。人と触れ合うのが苦手だった私が、家族だけでなく、周りの人たちとも、温かく関わるゆとりが持てています。幼い時から感じていた、人の輪の中で一人浮いている感覚も、気付くとなくなっていました。 

いろいろと起こるものの、家族みんなで仕合せへと進んでいけることが、本当にありがたいです。壁に直面しても、神の教えを通して、考え方、感じ方を剪定(せんてい)していけばいいと、前向きです。これからも、家族で教えを学び、悔いを残さない人生を歩み抜くことを目指していきます。 

悔いなき人生手にするために
   「真理」に生きる我が家を築けよ
 親の思い 我が子に届かず
  子は思いを親に語らず
     形に生きる家が多いのである
神の教えに生きる我であれ
 生きるほどに その家は調和し
     家族の心(姿)も明るく輝く
 我が家の「運命」
    花咲き 実を付け
         その家は栄えてゆく

『真実の光・神示 平成21年版』13ページ(中略あり)