(石川県KN/60代女性/主婦)
父の暴力もあり、両親がけんかばかりしていた幼少期。いつも弟と泣いていたのを覚えています。私たちが10代の頃、父は他界。しかし、亡くなってもなお、母を泣かせ、身内とも争いの絶えなかった父のことが許せませんでした。
儀式を機に、変わり始めた心
親を恨む、かたくなな心がほどけ始めたのは、数年前に受けた明魂祭(後日の葬儀)がきっかけです。申し込んだ時から、なぜか優しかった父の姿が次々と思い出されました。私や弟には穏やかだった父。お風呂で丁寧に手や足を洗ってくれた姿。亡くなる前、母に私のことを頼んでいたとも聞きました。感謝の思いを儀式で届けると、「父ちゃんも喜んでると思う。今があるのは父ちゃんのおかげや」と母。「愚痴を聞かせて悪かった」と謝ってもくれました。
悪い「心の動き」の修正を決意
儀式の後しばらくして、今度は娘から言われました。「じいちゃんのこと、悪く言わなくなったね」と。そこで初めて、父を悪く思わなくなっている自分に気付いたのです。「神が私の心をお守りくださっている」と、心底ありがたく思いました。
父が命をつないでくれたから、私がいる。父にも感謝が膨らみました。だから、偉光会館の安明の間で、「父ちゃん、ありがとう。大好き」と語り掛けてみたのです。「父が喜んでいる!」と感じ、思わず笑っていました。涙が出るほど、うれしい気持ちでいっぱいでした。父にも良いところがたくさんあったのに、家族を泣かせ、孤独な生き方をしてしまった「心の動き」の恐ろしさ。親、先祖から受け継がれてきたその生き方を、私の代で改めたい。強く決意しました。
身内との縁が深まって
実は、弟夫婦とは、仲は悪くないものの疎遠でした。弟たちは、母が一人暮らしをしている実家の隣に住み、何かと気に掛けてくれています。そのことに感謝しつつも、「弟たちが頑張ってくれているのに、口出ししては…」という遠慮もあったのです。
昨年、母に大動脈解離が見つかりました。幸い手術もせず、89歳とは思えない生命力で乗り越えることが。しかも、弟夫婦とゆっくり話ができ、以来、頻繁なやりとりが続いています。母を訪ねたときは弟の家にも顔を出し、「いつもありがとう」「母ちゃんも喜んでたよ」など、心の内を伝えるように。変な遠慮もなくなって、「母ちゃん、病院に行っていないみたい」など、気付いたことは自然と伝えています。弟たちも、「知らんかった、ありがとう」「頼むね」など、私を信頼してくれているのを感じます。先日は、弟が母のために考えた脳トレを見せてくれ、「母ちゃんがシャキッとしているのはこのおかげ!」と成果を喜び合いました。
夫への触れ方にもゆとりが
夫に対しても、気遣うゆとりを持てるようになりました。以前は、帰宅した途端、自分の話をまくしたてていた私。掃除一つも、私流のやり方で磨き上げなければ気が済まず、夫が手伝うと言ってくれても、断るのが常でした。それが今は、「きょうはどうやったん?」とまず尋ねたり、夫の申し出をありがたく受け止め、「助かるわ」とお願いしたり。掃除の仕方が違っても気にならないのです。自分中心で独り善がりだった心が、幅のある、温かい心へと確実に変わりました。おかげで、家族との縁もどんどん深まっていると感じます。孤独とは真逆な家族の様子を、父も喜んでくれているに違いない。そう確信しています。



家族で「教え」を学び
「真理」で関わる家庭をつくる
努力を欠いてはいけない
「教え」が
家族の心(実体)を引き上げる
心の渇きを潤すものは
家庭に育まれる「愛」
「六つの花びら」咲くように
家族それぞれが
任と立場を知って 正しく関わる
自然と 家族の心は一つに重なり
実体を高め合う家庭と成る
信者は 「教え」を学び
「心の道」をつなぐ人生をゆくべし
『真実の光・神示 令和4年版』95ページ(中略あり)



※六つの花びら;神が人としての仕合せを六つの花びらに例えてお教えくださった、基本真理の一つ。夫・妻、男女の子供、健康、職業、生活、希望の六つに恵まれることが、人としての仕合せなのです。六つの花びらは、順にかなっていきます。夫婦が仲良く暮らすと、親子の仲も良くなります。そのような家庭を築けると、健康に恵まれ、人の役に立とうという意欲も枯れません。社会で活躍できるので、生活に困ることもなく、大きな希望を持って人生を歩めます。詳しくは『生命の歩み』84ページで確認しましょう。