No. 1748

「会話」が難しかった理由
見えてつかんだ心の重なり

(静岡県SH/70代女性/主婦) 

同居の義姉が施設に移り、夫婦の時間が増えた、1年ほど前。勉強会で「会話とは“思いを語り合う”こと」と聞き、「できてないな…」と残念に思いました。私が体調を崩したり、何か失敗をしたりすると、夫は、「ほら、俺の言うことを聞かないから…」などと言います。ムッとした私が、「お父さんは、いつも正しいもんね」と返す。それが私たちの「会話」でした。もっと夫と心を重ねたい。でも、それにはどうしたら? 模索する日々の始まりでした。 

「言葉」では変わらない関係

「神の実在体験談」を読み、心に残った言葉をまねても、思うような会話にはなりません。何に気付いたらよいのか、一端なりともつかみたい…。そうした気持ちで教えを学ぶうちに、ふと思い出しました。以前、夫に「お前は上から目線だ」と言われたことがあったのです。そういえば、私は、夫に気持ちを“尋ねた”ことがありません。ここからやってみようと思いました。 

外出の予定を立てる際、これまでは、「○日にしよう」という私のひと声で決まっていました。そこで、「この日はどう?」と尋ねたところ、「その日は行かない」。そんな返事は初めてでした。今まで無理させてたのかも…。見えなかった夫の“心”に、近づけている手応えを感じたのです。「いつならいい?」重ねて尋ねると、「この日かな」。「じゃあ、そうしよう!」お互い納得の結論に。相手の意思を確認し、尊重しようとする姿勢。私にはこれが欠けていました。

心のありようを神に願うと

変えていくのは、言葉や行動の源となる「心」。目指す姿がはっきり見えて、愛ある自分になりたいと、何度も祈願しました。自然と気持ちが穏やかに。夫の電気の消し忘れなど、これまで指摘してきたことも、不思議と気にならなくなったのです。いつもはやってくれるし、うっかり忘れるのは私も同じだから…。私の変化に合わせたかのように、夫も「言うことを聞かないから…」と言わなくなりました。 

思いがけない“心”に触れて

ちょうどその頃、検診で夫にがんの疑いが。私は動揺を抑えるのに必死でした。ところが当の本人は、「今が仕合せ」などと言います。「えっ、何で?」「だって、最近お前が優しいから…」。突然の“思い”に触れて、胸がいっぱいに。「何だ、泣くのか」。夫が笑う姿に、また涙…。私の“思い”を感じてくれる優しさに、もっと心を正して、力になりたいと思ったのです。 

しみじみと味わう仕合せ

それから数カ月後。驚いたことに、ことし初めの検査では、確かにあったはずの異常が消えていました。医師も「ないんですよね…」と不思議そう。「健康な心身は、思いが通い合う家庭で生まれる」ことを、夫婦でかみしめています。行きつ戻りつしながらも、日々確実に、本当の「会話」ができてきているという実感。それがしみじみうれしくて、「仕合せとはこういうことなんだ」と深く感じています。

自ら「教え」に気付きを得て
         心を正す努力をする
 自然と 言葉や態度に
       明るく優しい薫りが漂う
 その時 「心」は「運命」に重なり
    信頼し 支え合う気持ちが
            家庭に芽吹く
人間は 「運命」の力で
      重なり 補い合う環境に
  心明るく 強く「生きる」人と成る
 真実「健康」を手にした
        人の心(姿)が
             ここにある

『真実の光・神示 令和4年版』145ページ

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