No. 1688

母との別れで味わった
神に導かれる心の不思議

(静岡県YU/50代女性/主婦) 

母に肺がんが見つかったのは、5年前のことでした。それからの母は、自分の人生を振り返りながら、どこまでも生き方を高めようとしていました。よく動き、よく話し、大勢の人たちと縁を深める姿は、まさに神の教えの体現者。皆さんが、「肺を患っているとは思えない!」と驚くほど、生き生きとしていました。 

心の重しから解放された母

そうして昨春、真実の光会館の光明殿から安明殿へと続く内参道が完成した頃、母に大きな心の変化が起きました。幼い時から抱えてきた養父母への苦しい思いが全て流れたのです。養父母から母、そして私たち子孫へと続く「心の道」が、曇りなく真っすぐにつながった奇跡。母の心は、より劇的に変わりました。何事も、素直に受け止め、感謝して…。言動も、一層穏やかで優しいものとなったのです。 

心の道がつながると、こんなにも変われるのか…。目を見張る私に、母はよく言っていました。「過去を許せて、受け入れられて、生きていることがただありがたい。私がこんな心になれるなんて…」「心を救ってくださる、本当にすごい神様だね」と。 

母は昨年末、風邪で受診したところ、緊急入院となりました。直前まで普段どおりの生活が送れていたので気付きませんでしたが、母の肺は限界を迎えていたのかもしれません。年が明けて数日後、苦しむことなく、静かに、穏やかに旅立ちました。がんの宣告を受けた際は、ステージⅣで1年半の命かも…と言われていたのに、5年も生き永らえた母。しかも、心の重しから解放され、「ありがたい」と言いながら、明るくはつらつと過ごした日々は、母にも、私たちきょうだいにも、多くの仕合せをもたらしてくれました。 

奇跡のような巡り合わせが

葬儀社に一報を入れた後、不思議なことが起きました。「◯◯さんと◯◯さんは、お母さまとどのようなご関係ですか?」と尋ねられたのです。母の養父母でした。担当者が“ふと気になって”、社内のデータで母の住所を検索したら、2人の名前が出てきたと言うのです。2人が積み立てしていたお金を、母の葬儀に使ってもらえないかとのことでした。こんな偶然があるとは…。幾つもある葬儀社の中から、そこに連絡したのは、神様のお導き以外に考えられません。 

養父母が会員だったお礼に…と、私たちが選んだシンプルな棺(ひつぎ)を、きれいな模様の入った、白い布張りの棺に代えることまでしてくださいました。棺の中の母を見た時、昔、聞いた話を思い出しました。「お母さんは、親から成人式も祝ってもらえなかったし、結婚式も挙げられなかった…」。目の前の白い棺が、私には、成人式や花嫁衣装の美しい着物のように見えました。まるで養父母から母への贈り物。きっと母の旅立ちを見守ってくれているに違いないと、胸がいっぱいになりました。 

母を見倣い、人との縁を大切に

玉納奉寿(葬儀)では、母への感謝や尊敬の思いを、真心を込めて届けました。参列者の皆さまも一心に思いを語り掛けてくださっていて、涙があふれました。養女となって、この地に来て約80年。たくさんの人との縁を大切にし、たくさんの人に惜しまれた母。私たちに、人との縁がどれだけ大切かを教えてくれました。 

母が亡くなり、寂しいですが、不思議と安心感に包まれています。母がいつも願っていた家族の和を忘れずに、家族で、きょうだいで心を重ね、生き方を高めていきます。亡き父母がつないでくれた、周りの人たちとの縁を大切にしながら――。  

※既に公開中の、この方のお母さまからの「神の実在体験談」も、併せてご覧ください。