No. 1623

夫婦の重なりが解決の鍵
“がん”が仕合せの転機に

(宮城県FO/60代女性/主婦) 

私は心配性で、物事を悪い方へ悪い方へと考えてしまう性格です。「うまくいかなかったら、どうなるの?」「どうせ私の話なんか聞いてもらえない」。半面、漁師町で生まれ育った夫から、「早くしろ!」「もう行くぞ!」と荒い口調でバンバン言われると、私もバンバン言い返す。「私はこうしたいのに!」「私にも事情があるの!」。つい感情的になりがちでした。 

夫の言葉に愛を感じて

こんな生き方を変える転機が訪れたのは40歳過ぎ。乳がんを患った時でした。「私、もう駄目なの?」「どうして病気に?」と、最初は随分落ち込みました。心配性の私が病を受け止められたのは、神が心を守ってくださったから。そして、夫が私の心を支えてくれたからです。「必ず治るから頑張ろうな!」という力強い言葉が、いつも私の不安を吹き飛ばしてくれる。怒っているわけじゃなかった…と気付いた時、バンバン言ってくる夫の言葉に愛を感じたのです。「何かあったか?」「何でも言ってくれよ」と常に気に掛けてもらえることが、どれほどありがたかったか知れません。 

弱点を克服できるすべに感謝

抗がん剤の副作用で髪が抜けた時は、「大丈夫。治療が終われば生えてくる。俺なんか、もう生えねえんだぞ」。明るい励ましに、幾度となく元気をもらいました。どうしようもなく気分が沈み、不安が襲ってきたときも、祈願し、夫に思いを語ると、不思議と心が軽くなりました。そんなことを繰り返すうちに、夫への感謝が膨らんで、感情的に言い返すことがなくなったのです。少しずつ、でも着実に、夫婦の心が重なっていきました。家族の和が災いを遠ざける。神の教えにあるとおり、体調も良く、心もすこぶる健康です。

我が家は、がんになる人も、精神的に弱い人も多い家系です。もし、この神と出会っていなければ、どうなっていたことか…。持って生まれた弱点を乗り越えられるすべがあるのは、本当にありがたい。それが身に染みています。 

絆を深めて、より高い生き方を

あれから20年。夫には、自分から何でも話すことを心掛けてきました。夫の話もよく聞いています。仕事の悩みなど、「そうなんだ。大変だったね」と共感しているだけなのに、夫は「気持ちが切り替わって頑張れる」「まずやってみるか!」と言ってくれます。問題を解決してあげることはできなくても、役に立てているんだなと、うれしい気持ちでいっぱいです。 

神示に何度も出てくる「夫婦」という言葉。仕合せの基は和のある家庭。その軸は夫婦、と言われる意味がよく分かります。夫婦で思いを共有し、二人で乗り越えていこうとすると、心は不思議なほど前向きに。気持ちの通じ合える感覚が、とても仕合せです。夫から、「穏やかになったね」と言われますが、全て夫のおかげ。「いつもどっしり構えていてくれるから、安心できる」と伝えたら、「俺もおまえがいてくれるから頑張れる」と夫。優しい言葉に胸がじーんとしました。 

これからも二人三脚で

ことし、夫と共に長寿の祝い、「神魂の儀」を受けました。参列してくれた甥(おい)から、「二人はいつも仲が良くて。俺たち家族のことも気に掛けてくれてありがとう」とお祝いの言葉をもらいました。子供はいませんが、家族、身内に、良い生き方を残したい。これからも、夫婦二人三脚で、心を磨いていきます。 

「心(魂)」安らぐ家に 災いはなし
家族それぞれ
 分 立場わきまえ 声掛け合えば
  愛心 愛語が引き出され
    穏やかな気持ちが我が家を包む
夫は家族を守り 妻は家族を支え
  夫婦の心重なり合うほど
           その家は栄える
神の心がその家に根付くゆえ
      良き因が生まれるのである

『真実の光・神示 平成17年版』207ページ(中略あり)