(佐賀県HH/60代男性/学校事務)
「すぐに病院に来てください」。一本の電話から、私の人生が変わりました。急いで駆け付けたところ、「前立腺がんです。骨にも転移している疑いがあります」と、思わぬひと言が待っていたのです。
生き方を一つ一つ見詰め直して
そのまま、大きな病院を紹介されて再検査。急な展開でも動揺しなかったのは、妻の「もし、がんでも、しっかり治療を受けていこうね。家族で支えていくから大丈夫」という言葉が支えになったからでした。
その頃、脳裏によぎったのがこのご神示です。「病名が付いたときにこそ 『人生』の歩みを振り返り 真の健康を手にする時と悟るべし」(『真実の光・神示 令和3年版』24ページ)。自分はどんな生き方をしてきただろう? 家族への言葉遣いや態度、仕事への向き合い方、身内やきょうだいとの関わりの薄さ…と、一つ一つ教えに照らして点検したのです。
仕事が忙しくて、家ではクタクタ。家族に話し掛けられても、つい素っ気ない態度を取ってしまいます。用意してくれた食事も無言で食べていました。自分だけが大変な気になって、周りへの感謝がなかった…。見えてきたのは、その時の感情を優先して、相手の思いを受け止めていなかった自分の姿でした。
「感情を垂れ流さない」と決意
「お父さん、働き過ぎたんだよ。ゆっくり休む時なんじゃない」などと励ましてくれる家族の存在に、どれほど心支えられたことか。こんなに思ってくれる家族がいることを当たり前に考えていました。以前、「答えを求めているわけじゃない、思いを聞いてくれるだけでいいの」と言っていた妻の言葉も思い出され、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
疲れているのは自分の問題、感情を垂れ流すのはやめよう。自己中心だった心の軸を、家族に置きました。たわいない話でも、顔を見てしっかり聞く。思いを返す。その積み重ねに、どんどん会話が弾みます。加えて、だんだん言葉の奥にある思いが感じ取れるようになっていったのです。
家の中が明るくなったら…
「ただいま」の声色で、「仕事が忙しかったのかな?」と分かるので、「何かあった?」「きょうは、ゆっくり休んだら」と気遣えます。朝は、元気がなさそうな娘を励ましたくて、「頑張って行っておいで!」といつもより明るく送り出すことも。「お父さんも大変そうだから」と家族が肩もみ。気に掛けてくれる優しさがうれしくてたまりません。家の中が、日に日に明るい雰囲気に変わっていきました。
そうして迎えた検査結果の出る日、驚きの言葉を聞いたのです。「がんの疑いはありません。むしろ、全ての数値が良くなっているくらいです」。医師も首をかしげる大奇跡。大事に至る前に、病を生み出す生き方を見直すことができ、神の大きな愛を感じました。
人とのつながりを大切に
あれから数カ月。家族と思いが通い合う日々を送ると、心も体も軽いです。仕事にも、定年を超えて採用していただいた、感謝の心で向き合えます。だから、仕事仲間の思いをしっかり受け止め、自分のできることで精いっぱい応えていける。おかげで、思わぬ人の助けを得られるなど、滞りがちだった業務もスムーズに流れ始めました。働ける喜びを感じ、やりがいを味わう毎日です。
人との関わりは、自分の心次第。これからも、心のつながりをその時の感情で断ち切らず、一つ一つの縁を大切にできるよう、生き方を高めていきます。
自ら「教え」に気付きを得て
心を正す努力をする
自然と 言葉や態度に
明るく優しい薫りが漂う
その時 「心」は「運命」に重なり
信頼し 支え合う気持ちが
家庭に芽吹く
人間は
「運命」の力で
重なり 補い合う環境に
心明るく 強く「生きる」人と成る
真実「健康」を手にした
人の心(姿)が ここにある
『真実の光・神示 令和4年版』145ページ