No. 1602

2度目の大事故で気付いた
修正すべき自分の性格

(福井県TK/60代女性/介護職) 

「夫に命があるのは、当たり前じゃないんだ…」。 

15年前に、仕事場で機械に巻き込まれ、利き手の左腕を失った夫。やがて片手で運転ができるまでになったものの、数カ月前の雨の日に、横滑りして側溝へ転落。 

ところが、車が大破する大事故だったのに、夫も、同乗していた母も、かすり傷一つありませんでした。その後も、事故処理に至るまで、不思議の連続で、全てが驚くほどスムーズ。周囲の支えや愛もいっぱい頂いて、「感謝だね~」と、むしろ喜びの感情があふれました。しかし一方で、私の心には、また別の思いが巡っていたのです。 

家系に流れる悪いもの 

祖父は戦死し、父は、私が二十歳を過ぎた頃、行方不明になりました。祖母も、母も、早くに「夫」という存在を失ったのです。自分の家系に流れるものを見詰め、私はようやく、夫がいてくれるだけで、どれほどありがたいことなのか気付きました。その思いは、乗り物の清めの儀教務相談を受けて、一層深まったのです。 

夫の思いが見えてきて 

我が強く、思いやりや感謝をすぐ忘れる。感情をあらわにして、相手への心遣いに欠ける。そうした私の悪い面を、夫にもろにぶつけてきました。夫なりに一生懸命やっているのに、どこか鈍くさく感じ、上から目線の言葉や態度。そのくせ、「黙っていれば丸く収まる」と思いを伝えず、「自分でやった方が早い」と、何かと勝手に進めてきた私です。 

利き腕を失った時、夫はどれほどつらかったでしょう。なのに、私は、口では「命があって良かった」と伝えても、夫を冷たくあしらう場面も…。事故から数年後、職も失い、思い詰めた夫が、離婚届を持ってきたこともあったのです。 

「我が強く、夫を立てることも、頼ることもない。一番の原因がここにある。だから、絶対直したい!」。気持ちが定まりました。 

家庭で連鎖していく思いやり 

ことしになって、夫と本音で語れる場面が増えていたので、そこに加えて、どんなささいなことにも「ありがとう」。こうした思いやりや優しい声掛けは、今まで全くしてこなかったことです。 

思えば、私の仕事が遅番の日も、帰宅して夕食が終わるまで、夫は1階にいてくれます。暑い中でも、片手で一生懸命草取りをしてくれます。今まで当然と思っていた一つ一つから、夫の優しさが見えてきました。

そんなある日、買い物をしながら、ふと、「ビールは切れてなかったかな? 欲しいかな?」と気になって、夫に電話で確認。びっくりした様子でしたが、家に帰るとうれしそうな夫がいました。 

子供のことも、独身でいるのを心配する気持ちが伝わってくるので、夫の心をつぶさないように配慮。「時が来れば、いい人に出会えるんじゃない?」と優しく返せる自分になったのです。 

すると、夫にきつい言葉を掛けて、よくぶつかっていた母まで、夫との関係が滑らかに。仕合せの基は和のある家庭。その土台は夫婦でつくるという教えが、心底身に染みました。 

夫婦で子供たちのために 

我が家に流れる悪いもの。そこにやっと目を向け、断ち切るための努力を始められた今。これからは、子供たちにもその事実を伝え、根こそぎ改善したいです。夫婦で一緒に取り組んでいきます! 

運命・実体で
 人生(こころ)つながる「家族」は
  実体を高め合う関わりが
   家族の人生を
    仕合せな時代(もの)へと導く
実体は
  「心の道」に受け継がれる
       家族の本質
           因縁 因果の元
 今生の人生で 人間ができることは
    「教え」に生きて
          実体を高める努力
夫婦の運命が重なることで
        家庭に調和が生まれる

(令和6年10月23日 信者心の基勉強会 家庭編『友輪』343号12ページ〈中略あり〉)