No. 1539

父への復讐を誓った私が
家族への愛にあふれて

(新潟県KA/60代女性/パート) 

「大きくなったら父に復讐(ふくしゅう)してやる」。後妻に入った母は、姑(しゅうとめ)である祖母だけでなく、父からもいじめられ、時には暴力も。私も腹違いの姉2人と比べられては、父にけなされました。次姉からも嫌がらせを受ける日々。冷たい冷たい家庭に育ち、憎しみを募らせていったのです。 

人生に大きな転機が

母の笑顔を見た記憶も、誰かに褒められた記憶もありません。いつもびくびくして、「人と関わると傷つく」とインプットされた私は、極度の人見知りに。加えて、病弱でした。「若いのに、病気ばかりでかわいそう」と、看護師さんが教えてくれたのが神示教会です。21歳の時でした。そこから、私の人生は、大きく変化していったのです。 

前向きになっていく心

自分にも、神から頂いた社会に役立つ力、「運命」があるんだ。私にだって、できることがある! 学ぶほどに、神が応援してくださっているのを感じ、「堂々と生きたらいい」と、前向きになっていきました。 

それまでの私は、「人間には裏表がある。本心は分からないから、油断してはダメ」という警戒心がいつもありました。当然、気が付くと独りぼっちに。それが、「人それぞれ持っているものは違うけれど、みんな、必要とされて生まれてきている」と分かると、相手を受け入れる気持ちが芽生えていったのです。

引っ込み思案だけれど、歌うことが大好きだった私は、バンドのボーカルを担当し、ギターの夫と結婚。夫婦で小さなイベントに駆り出されることもあり、たくさんの人々に喜んでもらえ、役立てる仕合せを味わえるようになったのです。 

再び家庭に問題が

しかし、神に守られていることが当たり前になり、少しずつ学びから遠ざかると、次々と問題が勃発。中でも、父と性格の似ている長男からは、強く反発されるように。どう関わったらいいか分からず、腫れ物に触る感覚になってしまったのです。 

教務相談で教えていただいたのは、夫婦が心を重ねる大切さ。夫はとても優しい人ですが、そこに甘えて、私は随分ひどい言い方をしてきたと気付きました。そして、夫の思いをほとんど聞いてこなかったと、ハッとしたのです。 

学んで、実践を始めると…

夫と神示の読み合わせをして、普段の会話では、思いを話してくれるまでじっくり待つことに取り組みました。ある時、「家族に家を建ててあげたかったな。子供部屋すら作ってあげられなかった」とポツリ。そんなことを思っていたなんて、初めて知りました。会社の倒産に遭い、大変な中でも、家族を守ってきてくれた夫です。「私は、あなたが選んでくれたこのアパートが大好き! 部屋が少ない分、居間で宿題したりして、家族がいつも一緒にいられて楽しかった。ありがとう」と伝えました。その時の、夫のうれしそうな顔が忘れられません。 

夫婦の心が、本音の部分から重なるにつれ、長男の笑顔も増えていきました。今では、何の気兼ねもなく「一緒に食事に行こう」などと、私たちから積極的に話し掛けています。 

温かい家庭を目指して

結婚記念の光輪の儀には、息子たちも参列してくれて、長男の目には涙が…。小さい頃、もっと褒めてあげればよかった。それでも、家庭の温かさを知らずに育った私の人生を、ここまで引き上げていただいたのです。 

22年前に他界した父に対しても、「ずっと苦しかっただろうな。今の私があるのは、父のおかげなんだ」と、心から思えます。故人、先祖に「ありがとうございます」とちゃんとご挨拶できるようになったこと、家族と、何げない会話ができて、笑い合えること。私にとっては、大奇跡。だからこそ、もっと家族を愛して、良いものを残せるように。命ある限り頑張ります。

「教え」を家族で学び
  「教え」に生きる家庭を
      家族でつくる努力を重ねる
 家族の心(運命)は 調和を深め
     実体は大きく引き上げられる
 神の手の中 運命に導かれて
   発展する家庭の姿が ここにある

『真実の光・神示 令和2年版』125ページ