No. 1516

本音で向き合えない葛藤
夫婦の関わりで乗り越えて

(岐阜県KI/60代女性/主婦) 

「困った、困った」が口癖で、悩んでばかりだった父。そんな父を支え、私たちを育ててくれた母。少しでも親の力になりたかった子供時代、思いをのみ込むことを覚えました。ところが、幼い頃に染み付いた感覚は、結婚後も変わらなかったのです。 

夫は穏やかで優しくて、私のすることに、決して「駄目」とは言いません。それなのに、外出一つもぎりぎりまで言い出せずにいた私。本音で向き合うことも、ストレートな愛情表現も苦手で、娘に「お母さんって、他人行儀な面があるね」と言われたことも。「自分を変えたい」それが長年の願いでした。 

夫が踏み出してくれた「一歩」

夫婦で出掛けた際の自損事故が、くしくも転機となりました。幸いけが人はなく、帰宅後、私が思ったことは、「明日、偉光会館に行く予定だけれど…」。でも、とても言えません。すると夫が「車で行けないね」と切り出してくれて、一安心。「電車があるから大丈夫」と答えたのです。 

翌朝、突然、夫が言いました。昨日、本当は、「こんな時に出掛けるなんて」といら立っていたこと。そして、ずっと寂しさがあったことも…。「何でも直前になって言うから、僕は『うん』としか言えないんだよ」。そのとおりでした。しかも私は、夫の思いに気付きながら、黙って優しさに甘えていたのです。これではいけない! そんな思いに突き動かされました。

「ごめんなさい!」。逃げずに向き合えたのは、初めてだったかもしれません。言葉を探してやっと伝えた、「あなたが大切」。私の思いを、夫は確かに受け止めてくれました。お互いに本心から向き合ったこの日、「心で触れ合う」関わり方を、私はつかんだのです。 

次々に変わった“向き合い方”

それ以来、子供たちとの関わりにも変化が。事故のことを連絡した時、「お父さんと気持ちを通わせることができた」と、自分の思いも伝えられたのです。以前なら、事故のことだけを報告していたはず。「それって難しいことだよね」「良かったね」。子供たちからの返信が、うれしくてたまりませんでした。 

自然と、母との関係も変わりました。ただただ話を聞いていたのが、「お母さんには、悔いのない人生を歩んでほしい」。自分の思いを語れます。愚痴が続くな…と感じた時は、「そうした心でいたら、もったいないかもよ?」などと伝えることも。気持ちを言葉にして伝え、それを家族が受け止めてくれる。自分だけで抱えてきた「思い」を大切な人たちと共有できる。それだけで、あったかくて、こんなにも満たされるなんて…。

長く願い求めながら、どうしても手にできずにいた、家族や周りの人たちとの、“心”の触れ合い。それは、私が知らなかった大きな「仕合せ」をもたらしてくれました。だからこそ、きょうも「誰かと本気で向き合う」一日に。それが、今の私の目標です!

「教え」を学び 「心」に生かす
 人との出会いが深まり
      「生きる」姿が楽しく映る
「教え」に生きて
  皆の心(人生)は
    人との出会いを深め
         喜び多いものとなる

『真実の光・神示 平成30年版』99ページ(中略あり)