「この家に生まれなければ」と、何度思ったことでしょう。大きな飲食店を営む両親は、多忙でした。夜になると、つらい思いをお酒で紛らわす母の姿がありました。酒瓶の中身を、こっそり水やお湯に替えたこともあります。高校生の頃、母が疲れきった顔でお酒を飲んでいました。「またか…」と思いつつ、胸騒ぎがしてそばに行くと、自ら命を絶とうとしていました。
悲しませられない…と我慢
必死で止めて、何とか母の命を守れたものの、私はさらに心を閉ざしました。「つらい」「悲しい」「こんな家、嫌…」誰にも言わず、隠し続けてきた心の声。神に出会って、初めて祈願でさらけ出せたのです。
教えを学ぶうちに、本音を言えない性格や、やり過ぎて重荷を背負うところは、親から受け継いだ実体と知りました。「つらい思いをした自分」ではなく、「そういう気質を受け継いでいる自分」。父も母も、私と同じようにつらい思いをしたこともあっただろう…と、初めて親の心を感じたのです。
自分も親と同じ気質と気付いて
今の自分の生き方の善し悪しが、家系に受け継がれること。そして、自分もまた、その家系に生まれてくることも、神の教えで知りました。
「私には、今の生き方をより良くしていく役割がある」。だから、親との時間を大切にしました。両親が続けて病に倒れ、地元に戻っての介護生活。入院、手術、店のこと…。兄が出張先から戻るまでは一人で大変でしたが、一つ一つ乗り越えられました。父の足を洗った時の、うれしそうな顔。母は、病院やデイサービスの人に私が褒められると、とても喜んでいました。何より、父は母を、母は父を…、互いを思いやる夫婦の絆を見せてもらったのです。
悪いものを残さない生き方を
「父と母の元に生まれて良かった」。両親を見送った今、心から思います。思い返すと、なぜか、穏やかにほほ笑んでいる2人の顔しか浮かばず、「つらい、悲しい、寂しい」の思いが全く出ません。大変だったはずの介護も、いつの間にか、私の喜びや生きがいに変わっていて、細かい苦労が記憶に残っていないのも、本当に不思議です。神がしっかりと心を守ってくださっていることを感じます。
親は、誰かのためにと、ためらわず、さっと動く人でした。よく考えると、それは私にもあって、そういう気質を受け継いだことに感謝です。思いを伝えるのは昔から苦手ですが、素直に言おう、言おうと心掛けると、「あ! 伝わった。伝わってた」と実感する瞬間がたくさんあります。仕事で余計な気苦労が減り、兄ともたわいない話が弾んで、心が癒やされています。
起きたことは忘れられませんが、全ての経験が「糧」になっています。叔母がつないでくれた神の存在。神と出会える家系に生まれて良かった…と感謝が膨らみます。悪い生き方、心の動きをこの家系に残さないように、心の幅をジワジワ広げている最中です。
親と子は その家の「心の道」に「実体」を受け継いで 運命(寿命)の中で生きている
人生の真実を知って 「教え」を心(人生)の支えに生きるべし
「教え」が心(人生)を 孤独から救い
多くの人との出会いを深めて 楽しい「人生」を歩み抜ける
親と子は
その家の「心の道」に
「実体」を受け継いで
運命(寿命)の中で生きている
人生の真実を知って
「教え」を心(人生)の支えに
生きるべし
「教え」が心(人生)を
孤独から救い
多くの人との出会いを深めて
楽しい「人生」を歩み抜ける
『真実の光・神示 平成30年版』137ページ(中略あり)