No. 987

我が子に先立たれた喪失感
乗り越えられた理由は…
(青森県TE/80代女性/主婦)

20年前に亡くなった一人息子が残してくれたもの。それは、「人」という財産でした。夫が長い闘病の末に亡くなり、そのわずか7カ月後に我が子まで…。独りぼっちになった私は、「神はなぜ守ってくれなかったの」と思ったこともあったのです。

悲しみに沈む私を、信者仲間の皆さんが一生懸命励ましてくれました。おかげで、心が前を向き始めました。「私がいつまでも悲しんでいたら、夫や息子を悲しませる。元気を出さなくちゃ」。今振り返れば、この心の変化も、神がお守りくださっていたと分かります。

寂しさを感じなかった20年

神の教えを学び直す気持ちになりました。これまでの生き方に反省しきりでしたが、同時に、「これからは、人とのつながりを大切にしていきたい」とも思ったのです。

「お母さん、今から線香を上げに行くから待っててください」こんな電話を何度頂いたか知れません。息子の職場の同僚、上司、アルバイトの子たちまで、県外から来てくれました。それも一度きりではありません。毎年毎年、命日に合わせて。他にも、「転勤することになったので、ご挨拶に来ました」「定年になって時間がとれたから、息子さんのお墓にお参りしたくて…」と足を運んでくださった方もいます。

心に染み入ってくる「人の温かさ」。私も、お料理でおもてなしするなど、精いっぱいの真心で関わらせていただきました。そんなこんなで、「寂しい」と感じる暇がないほど、私の毎日は充実していました。息子は、これほどたくさんの方にお世話になって旅立ったんだと思うと、気持ちがさらに明るくなったのです。

夫と息子に思いを届けて

息子を見送って20年。80歳を迎えた今、思うのは、生涯、人とのつながりを大切にしたい、ということです。以前は、価値観の違う人とは付き合わない方がいいのかなと思っていましたが、逆に価値観がぴったり合う人など、そうそういません。だから、えり好みせず、どなたにも自分から関わっていきたいのです。

買い物に行って、店員さんにご挨拶。「きょうは来るの遅かったね」「ご飯は何にするの?」と、気に掛けてもらう喜びを味わっています。お茶の稽古仲間から、「あなたの生き方を目標に頑張る」と言ってもらい、たとえ冗談でもうれしく思いました。

人は、一人では生きられない」という神の教えは、本当にそのとおりだなあと、しみじみ思います。夫と息子には、毎日手を合わせて、「おかげさまで、きょうも元気に過ごせたよ」「神様に守られているから、心配しないでね」と伝えています。

「教え」を学び 送った家族に 安心してもらえるように 生き方を正す
 人の魂は 今生に生き また生まれくる次の時(時代)を待つもの
 送る者は 「教え」に生きて 故人の心(魂)に安心感を届けることが必要
真の「仕合せ」 豊かさは
    家族 縁者の支えを頂き 共に「生きる」今にあると気付くべし
 人は 一人では生きられない
 多くの出会い 支えを頂く今に感謝――
    次は我が感謝の思いを返す時と 悟って生きる

「教え」を学び
  送った家族に
    安心してもらえるように
            生き方を正す
 人の魂は
  今生に生き
    また生まれくる
      次の時(時代)を待つもの
 送る者は
  「教え」に生きて
    故人の心(魂)に
      安心感を届けることが必要
真の「仕合せ」 豊かさは
  家族 縁者の支えを頂き
    共に「生きる」
        今にあると気付くべし
 人は 一人では生きられない
 多くの出会い
    支えを頂く今に感謝――
  次は我が感謝の思いを返す時と
            悟って生きる

『真実の光・神示 平成30年版』146ページ(中略あり)