No. 982

介護で行き詰まった心
寄り添うコツをつかんで
(徳島県HT/60代女性/主婦)

山岳ガイドの夫は、日本の山を飛び回り、時には一カ月以上、ヒマラヤに行くこともありました。あだ名は“スーパーマン”。その夫が脳梗塞で倒れたのは3年前。あまりに突然で、衝撃の出来事でした。

せめて命だけは…と家族みんなで祈願しました。重い障害が残ると宣告されたものの、残ったのは左半身の麻痺(まひ)のみ。退院後はつえを突きながらも、散歩できるまでに回復し、それが妻としての喜びでもありました。しかし、スーパーマンだった夫にとっては、シャワー、トイレ、着替え…と、「一人ではできないこと」があるのは、とても受け止められない現実だったのです。

明るく振る舞う理由は…

せっかく頂いた命。しかし、夫は「はよう死にたい」と口にし始めました。夫の気持ちを思うと、私の胸も張り裂けそうになります。だから、明るく振る舞うことだけを考え続けました。少しでも元気になればと、夫が趣味でやっていた山のブログを書くことを勧めましたが、「書かない」の一点張り。私の心は苦しく、神に思いを訴え続けるしかありませんでした。

「私の関わり方が、少し違っているんじゃないか」と思うようになりました。明るく振る舞うのは、「自分が」つらい思いをしたくないから。「もっと、夫の本音を真正面から受け止めたい!」と、心が変わっていきました。

元気づけるためにできること

つらくても、夫の思いを全部聞こう。単に励ますだけではなく、自分の本音も口に出そうと決めました。「愛しとうよ。ほんまに頼りにしてるし、いてくれな私は困るよ」初めて伝えた私の本心。

「ほんまか!」と夫の表情がぱーっと明るくなりました。しかも、一度も首を縦に振らなかった山のブログも「書く!」と言うのです。たった一度、心からの思いを伝えただけで、こんなに元気になるなんて…。言葉が持つ力のすごさを感じました。

変わらない夫の存在感

実家のこと、庭木の剪定(せんてい)の仕方、野菜の作り方…、何でも夫に相談します。不安なことを話すと、「悪いことはいつまでも続かんから、心配せんでいい」。この言葉に、何度励まされたか知れません。夫の方こそ、私の思いを真正面から受け止めてくれるのです。

今、夫は入院中ですが、手料理が食べたいというリクエストに応えて、毎日おかずを届けています。「みんな待ってるよ」「はよ帰ってきてね」とメモを添えて…。久しぶりに面会できた時、夫が私の頬を優しくさすってくれました。その手のぬくもりから伝わってきた夫の思い。離れていても、直接会話できなくても、夫婦の絆が日に日に深まっていく毎日に感謝です。

「教え」に生きる決意を持って 心正しい「信者の道」ゆく我であれ
 この思いが
    我が「運命」の力をもって 相手の人生を支え 補う心(愛)を芽吹かせる
「教え」のある家庭に 夫婦の運命は重なり
    互いの実体を 「真理」に生きて高めることに 気持ちが向かう
 二人の会話も深まり 共鳴 共感し合う人生が始まってゆく

「教え」に生きる決意を持って
  心正しい「信者の道」ゆく我であれ
 この思いが
  我が「運命」の力をもって
    相手の人生を支え
      補う心(愛)を芽吹かせる
「教え」のある家庭に
      夫婦の運命は重なり
  互いの実体を
   「真理」に生きて高めることに
           気持ちが向かう
 二人の会話も深まり
    共鳴 共感し合う人生が
            始まってゆく

『真実の光・神示 平成31年・令和元年版』19ページ