(山形県CS/60代女性/主婦)
自分が、局所麻酔の効かない珍しい体質であると分かったのは数年前。左目の網膜剝離がきっかけでした。手術は全身麻酔で行い、成功。視力も回復し、喜んだのもつかの間、本当に大変なのはそこからでした。
術後しばらくして、後発性白内障の症状が現れたのです。今回は、全身麻酔の方がリスクを伴うので、麻酔なしでのレーザー手術を提案されました。「前例のない治療方法」…。その言葉が怖くて、なかなか返事ができませんでした。
夫婦の“重なり”を見詰めて
「どうして? どうして?」。居ても立ってもいられなかった時、夫と一緒に入った教務相談での言葉を思い出しました。「不安に迷うときこそ、夫婦の心が重なれば、何よりの安心になります。そこに、治療効果も大きくなるはずです」。私は、日頃の夫婦関係を思い返しました。夫は、仕事一筋の実直な人。家では、口数が少なく、穏やかです。それに対して私は、短気な性格で、すぐに返事が欲しい人。夫が言葉を選ぶ、わずかな時間さえ待つことができず、いつも一人で物事を進めていました。それで、夫婦の心が重なるはずはない…。ようやく現実に気付いたのです。
やっと感じ取れた優しさ
その後も、決断ができないまま通院する日々。徐々に視力は低下していきました。病院まで往復5時間もの道のりを、夫は嫌な顔一つせずに運転してくれます。一緒に過ごす中で見えてきたのは、夫の優しさ。「きょうは、どうだった?」「今、どのくらい見えるんだ?」。ぼくとつとした言葉の裏にある、思いやりを感じ取れる自分になっていったのです。今こそ、ありのままの気持ちを話そう…と思えました。
夫に伝えたのは、長い間、送り迎えをしてくれていることへの感謝と申し訳ない気持ち。手術に対する恐怖と、放置したら失明するという大きな不安…。全てを聞いてくれた後、夫はぽつりと言いました。「やるだけ、やってみたらいいじゃないか」と。その言葉に、背中を強く押され、心が動いたのです。
不安が消えていた手術当日
手術当日、あれほど怖かったはずの不安が、不思議と消えていました。今振り返ると、その時々に、必要な医師との出会いが用意されていたように思います。多くの医療関係者の尽力のおかげで、3回に及ぶ手術は無事に成功したのです。目に光が差し込み、心配そうにのぞき込んでいる夫の顔が見えた時は、どれほど安心したことか…。後日、担当医から、前例のないこの手術を学会で発表させてほしいと言われ、医学の発展に貢献できるなら…と快諾しました。
医師のひと言から深まる思い…
「網膜剝離は、遺伝によるもの」と医師から言われた時、ある事実に、はたと思いが至りました。我が家は短命な人が多く、父母は既に他界。私も、子供を幼い頃に亡くしています。「両親は、この病を患う前に世を去ったんだ」「こうして自分が生きていることは当たり前ではない…」。深い深い感謝が湧き上がってきたのです。
私の心に長年ある神の教え。「親から子、孫へとつながる『心の道』がある。残された家族が仲良く暮らすことで、故人・先祖の魂は安心する」。この教えのとおり、今、夫婦の絆を強固にしていくことで、できなかった親孝行ができる…。我が子への何よりの供養になる…。心を激しく揺さぶられます。その感動を忘れず、自分の家系に良いものを残せるように、夫婦で心を重ねて生きていきます。



家族で「教え」を学び
「真理」で関わる家庭を家族で築く
「人生」を全うし
「心の道」に良き因を残す
極意と申す
心(運命実体)で関わり
補い合って「生きる」人間は
「真理」に悟りを得て
実体を修正できる
そして
いよいよ運命に導かれた人生が
始まってゆく
人は皆 「教え」に生きて
六つの花びら咲き誇る家庭を
手にできる
『真実の光・神示 令和4年版』16ページ(中略あり)



※六つの花びら;神が人としての仕合せを六つの花びらに例えてお教えくださった、基本真理の一つ。夫・妻、男女の子供、健康、職業、生活、希望の六つに恵まれることが、人としての仕合せなのです。六つの花びらは、順にかなっていきます。夫婦が仲良く暮らすと、親子の仲も良くなります。そのような家庭を築けると、健康に恵まれ、人の役に立とうという意欲も枯れません。社会で活躍できるので、生活に困ることもなく、大きな希望を持って人生を歩めます。詳しくは『生命の歩み』84ページで確認しましょう。