No. 962

「そうやね」を繰り返して
心を紡ぎ合わせる夫婦に
(奈良県TK/60代女性/主婦)

夫の膵臓(すいぞう)がんが分かったのは、去年の夏のことです。それ以来、「夫婦二人三脚」の心で、数々の治療を乗り越えてきました。夫はことしの6月に、「困難」と言われた手術を無事に終え、今は通院して治療を受けています。

つかめてきた「紡ぐ」感覚

振り返ると、私たち夫婦は、今までお互いに好き勝手な方向を見ていたように思います。正義感の強い私は、何かと夫に「そうじゃないやんか」と反論し、言い争いになることも。でも、そんな私も、神の教えを学び、驚くほど変わることができたのです。

少し前の勉強会で心に残ったのは、糸を紡ぎ合わせるように、夫婦の思いも互いに重ね合わせる大切さ。それには、相手の気持ちを知ることが欠かせません。まずは食事やお風呂のタイミングなど、小さなことから「どう?」と聞いてみました。「もう少し後で」などの返事を聞いて、「これまで、だいぶ私の都合を押し付けてたな」と反省でした。テレビ番組を選ぶときも、「これは見る? 見ない?」。ささいなことのようでいて、大きく2人の関わりを変えてくれたのが「どう?」。今までまるで気付かなかった、夫の心にあるものが見えるようになってきました。

私の運転を「危ない」と怒るのは、責めているのではなく、心配だから。強い言葉の裏にある、思いがけない優しさです。このようにして、少しずつお互いの心を近づけていく。これが「紡ぐ」感覚と思ったのです。

夫なりの「強さ」が見えて

実は、私には、夫の治療が始まってから、ある葛藤がありました。自分にも人にも厳しい私。体調が悪いと落ち込む夫に、「もっと強く頑張って」と求めてしまうのです。でも、小さな会話を積み重ねて、今やっと分かりました。夫は、つらいときも人に当たらず、病気と付き合ってきた「強い人」。だから今は、心から「しんどいね」と寄り添う思いが湧いてきます。

自然と重なる夫婦の思い

先日、久しぶりに息子家族が遊びに来ることになりました。「食事は何を用意しようか」と相談すると、夫は「あれがいいんじゃないか」。提案してくれたのは、唐揚げとサンマの塩焼きなどです。息子家族の好物と、忙しいとなかなか料理できないもの…。私も大賛成でした。

つらいとき、うれしいとき、神に手を合わせるとき…、私の隣には夫がいてくれます。2人でゆっくり会話をし、「そうやね」と言えば、「そうやね」が返ってくる今が仕合せです。一日一日を大切に、夫婦の糸を紡いでいきます。

家庭の価値(真理)をよくよく悟り 「教え」に生きて 家族の関わりを深める努力が必要
 「教え」が家族の心を一つに重ね 補い 支え合って「生きる」家庭をつくる
――「真理」で触れ合うほど 人間は 互いの実体を高め合う心(愛心)が芽吹く――
 実体は修正され 運命の力は磨かれ 心(魂)休まる家となってゆく
事故 災難のない家庭をつくる極意と申す

家庭の価値(真理)をよくよく悟り
  「教え」に生きて
   家族の関わりを深める努力が必要
 「教え」が家族の心を一つに重ね
    補い 支え合って「生きる」
            家庭をつくる
――「真理」で触れ合うほど
   人間は 互いの実体を高め合う
       心(愛心)が芽吹く――
 実体は修正され 運命の力は磨かれ
    心(魂)休まる家となってゆく
事故 災難のない
      家庭をつくる極意と申す

『真実の光・神示 令和2年版』60ページ(中略あり)