私は温かい家庭を知らずに育ちました。父の暴力に耐える母。憎み合う両親には頼れず、いつしか、一人で解決することを覚えました。夫と出会い、４人の子供を授かっても、それは変わりません。「夫とは楽しく話せればいい」くらいで、頼ろうと思えないのです。子育ても「一人でするもの」と、無我夢中でやってきました。心の中は、いつも子供たちのことでいっぱい。だから、それぞれが独立した時は、寂しくてたまりませんでした。

一人で頑張ってきたけれど…

それが隙となったのか、先月、国際詐欺の被害に遭いました。ＳＮＳで出会った女性の話が、自分の境遇と重なって、お金を振り込んでしまったのです。偶然、家に来た長女が「詐欺だ」と気付き、一緒に警察に行ってくれました。

帰宅後、娘に「お母さんから話を聞いた時、どう思ってたの？」と聞かれた夫は、「半信半疑だったけど、お母さんは言い出したら聞かないから」と答えていました。そう言えば、夫は最初から「いや、でもなー」とけげんそうでした。「夫に本音を言わせなかった自分」が見えて、それが一番の問題だったと思ったのです。その日はとても落ち込みました。でも、つらい心を祈願するうちに、「この思いを夫に伝えよう。これからは２人で生きていこう」と、まずやるべきことが見えてきました。

翌日、あらためて、夫に「私一人では無理だって分かった。簡単にだまされて…。だから、私のことを見ていてほしい」と、素直な気持ちを伝えました。そんな私を責めることなく、「分かった」と笑ってくれる夫。「この人に『一緒にいたい』と思ってもらえる妻になろう」という思いが、込み上げました。何かあると、話の揚げ足を取ったり、「でも」と反論していたことを反省し、まずは「はい」と返事をすることから始めたのです。

すると、もともと素直な夫です。大好きな温泉に行くにも、「一人で行ってくるわ」から、「一緒に行きたいな」と誘ってくれるように。気が付くと、心にあった寂しさはなくなっていました。

変わっていく手応えを感じて

結婚して40年余り。「１人でやってきた人生」が、「２人で歩む人生」に変わってきたのを感じます。私の親もできなかったことができている…。そこに、神の大きなお守りを感じるのです。神魂誕生20周年のことし、私は生まれ変わることができました。言葉にできないほどの感謝でいっぱいです。

令和４年7月23日信者心の基勉強会家庭編（中略あり）