No. 895

「腐れ縁」を「良縁」に!
夫婦で過ごす奇跡の晩年
(東京都MF/70代女性/ヘルパー)

病気の母を安心させようと、慌ててお見合い結婚をした40年前。夫は暴言がひどく、口癖は「てめえ、このやろう」。とても耐えられず、1年で離婚しました。それでも、腐れ縁とでも言うのでしょうか。離婚してからも、夫とは一緒に住んだり、住まなかったり…を繰り返していたのでした。

家庭運もない、健康運もない、何もない私の人生。それは「夫が原因」ではなく、「自分の生き方が原因」と気付いたのは、神の教えを学ぶようになってからです。

口調が強いのは「お互いさま」

私の欠点がもろに出た出来事があります。交通事故で大けがを負った時、夫は誰よりも献身的に尽くしてくれました。体を拭き、料理を作り…。でも、私は「右手が使えないのに、お箸で食べられるわけないでしょうが!」と、不満をぶつけていたのです。

それなのに、夫は反論一つせず、黙って支え続けてくれました。その時、やっと悟りました。夫には「優しさ」という心の引き出しがあったのに、私が、強い言葉でその引き出しに鍵をかけていたのです。

再スタートを切る決意

しばらくして夫ががんを患い、今度は私が尽くす番と思いました。その後、夫は認知症を発症。私は「妻として一生支える」と心に決め、復縁したのです。

耳も遠く、会話がうまくできないため、ボードを使った筆談を始めました。「お父さん、きょうのきんぴら、味が薄かったね」「そんなことねえよ」。どうでもいい、たわいないやりとりです。でも、いつからか、どんな夫も「いとおしい」と思う私になっていました。この心の変わりように、神のお力を感じずにはいられませんでした。

昨年の秋。私は意を決してボードに書きました。「お父さんとずっと一緒に生きていきたい。だから、信者になってほしい」。夫は「うん」とうなずいてくれました。それから1週間後、2人で受けた光輪の儀(結婚記念の儀式)で、夫は御神体に向かって深々と頭を下げていました。その顔はとっても穏やかで、もう、それだけで仕合せでした。

初めて心が通い合った実感

夫の肩をポンとたたくと、耳をぐっと出して応えようとしてくれます。ボードに「この手紙、出しといてくれる?」と書けば、「うん」と言葉で返ってきます。「ありがとう」と言って、手をぎゅっと握る私。はにかむ夫。こんな仕合せ、味わったことがありません。この40年、お互い言い放つだけで、思いが返ってくることなどなかったのですから…。

先日、私が、ワクチンの副反応で発熱した時は、氷枕を作ってくれました。夫の「優しさ」の引き出しが、目いっぱい開いている気がします。夫との縁を、良縁にできたことが大奇跡です。「今が本当に仕合せ」。ただただそのひと言に尽きます。

二人の人生 「出会い」深めて生きる
 これぞ まこと夫婦の心(姿)と申す
 二人の運命 縁を深める極意は「愛」
 神の教えを軸に生きるなら
    自然と「運命」重なり 深まり 「和のある家」を築いてゆける

二人の人生 「出会い」深めて生きる
 これぞ
  まこと夫婦の心(姿)と申す
 二人の運命 縁を深める極意は「愛」
 神の教えを軸に生きるなら
  自然と「運命」重なり 深まり
    「和のある家」を築いてゆける

『真実の光・神示 平成20年版』106ページ