No. 894

乗り越えた死別の悲しみ
残された家族にできること
(新潟県SK/80代女性/主婦)

今から30年ほど前。桜が満開の時期のことです。20代だった息子が自ら命を絶ちました。それからわずか2カ月後…。今度は夫が「息子に会いたい」と言葉を残し、後を追って自殺してしまったのです。

張り詰めた心に響いた言葉

残された娘と私、2人で必死に生きてきました。私たちに対する周囲の反応は、励ましばかりではなく、心ない言葉に傷ついたことも一度や二度ではありません。ですから、私は「人には絶対に弱みを見せない」と決めました。でも、家ではビールやたばこに溺れ、寂しさを紛らわせていたのです。

そんな私が神示教会の話を聞いたのは、2人の一周忌が終わる頃です。知人の「心をうんと守ってくださる神なんだよ」という言葉に、磁石のように引き寄せられました。初めてご神前に座った時は、幼子のように涙がぽろぽろこぼれたことを覚えています。人には弱みを見せたくなくても、神にだけは全て素直に打ち明けられました。

「今」の生き方に思いを向けて

やがて食欲が戻り、心も体も軽くなって、ビールもたばこもやめられました。それでも、桜の季節になると、夫や息子を思い出して涙があふれます。その心が大きく救われたのは、明魂祭を受けてからです。神のお力で2人の魂がゆったりしていると知った時の、何物にも代え難い安心感。これから先、娘と仲良く生きていくことで、2人の魂がさらに喜ぶことも知ったのです。

人生に目標ができて、私は神の教えを真剣に学ぶようになりました。娘には、「親の気持ちを分かってくれない」と腹を立て、感情的になってばかり。せっかく気付いたのだから、直さないといけないと思いました。「こういう性格だから、この心を取ってください」と何度祈願したことでしょう。そうする中で、娘は「お母さん、お母さん」と何かと相談してくれるようになりました。周りの方々まで、「あなた変わったね。穏やかになった」と言ってくださり、うれしく思います。

届けたいのは仕合せな姿

今は一人暮らしですが、娘夫婦が近くに住んでくれているおかげで、何の寂しさもありません。神の館で待ち合わせをして、一緒に学ぶのも日常の楽しみの一つです。

今年の春。満開に咲き誇る桜を見上げながら、「元気になったよ。安心してね」と2人の魂に報告できました。桜を見るたび、悲しみの涙を流していた私が、「きれいだな。ことしも見せてもらえて仕合せ」と感じるようになったのです。30年前、地獄にいるようだった心をここまで変えてくださった神に、感謝の気持ちでいっぱいです。

「家庭」の意味(真理)をよくよく悟りて
    家族それぞれ 思いを語る「家」を築けよ
 思いがつながるほどに その家は栄え 先祖の心(魂)も安心 安泰
    「真の健康」手にして 家族の「心(運命)」も守られる

「家庭」の意味(真理)を
  よくよく悟りて
    家族それぞれ
      思いを語る「家」を築けよ
 思いがつながるほどに
    その家は栄え
     先祖の心(魂)も安心 安泰
 「真の健康」手にして
   家族の「心(運命)」も守られる

『真実の光・神示 平成23年版』14ページ