No. 796

見えてきた我が子の優しさ
本当の子離れができて
(福岡県MY/60代女性/主婦)

「この子は私がいないと駄目な子」。三女には重度の障害があり、体が動かず、言葉も話せず、胃ろうをしています。夫を亡くしてから、私が一人で介護してきました。

4年前、娘の成人の儀を受けて、私の親心は大きく変わりました。障害があろうとなかろうと、娘は立派な一人の人間。もっと娘の気持ちを大事にしよう。一人で頑張らず、家族みんなで娘を大切にしていこう…と、子離れできた感覚にさえなったのです。

「責める言い方」からの卒業

ところが、時がたつにつれ、当時の決意は薄れていました。その証拠に、離れて暮らす3人の子供とは、連絡すらあまり取っていない状態…。そんな中、娘が新型コロナウイルスに感染し、重症化してしまいました。「このままいなくなったらどうしよう!」。また一人で頑張ろうとしている自分。教務相談を受けて、そのことに気付けたのです。

子供たちに病院に付き添ってもらおう。「一緒に話聞いてもらわんと困るとよ!」と言いかけて、ブレーキがかかりました。この責めるような言い方が、子供たちとの距離をつくっていたのです。「一緒に応援してほしいの」と言うと、子供たち全員、私の思いに応えてくれました。病院に付き添い、治療に必要な物を送ってくれ、それがどんなに心強かったか知れません。

自分の心が安定していると…

私の心に出てきた「安定感」。医師に、気管切開の治療ができない…と言われた時も、動揺することなく、「お任せします」と穏やかに話している自分がいました。

看護師長さんが、「娘さんの体を見たら、とてもきれいで、お母さんがどれだけ大事に育てよったか分かりました」と言ってくれました。そして、何とか気管切開ができるようにと、転院に向けて一丸となって動いてくださったのです。その後は、「まるでドラマを見ているよう」と看護師さんに言われるほど、全てが順調そのもの。転院後は、即手術。人工呼吸器を装着すると容体が安定し、自発呼吸ができて…と、見る見る回復していったのです。

この仕合せ感をいつまでも

目を覚ました娘に、「よう頑張ったね。今まできつかったね」と言うと、ふえーっと泣きだしそうな顔。その後は、面会に行くと、うれしさを抑えきれず、笑いっ放しです。見舞いに来た子供たちも娘のそばでずっと手を握り、時々首の向きをひょいと変えてくれたりします。みんなの優しさが、また胸に染みてくるのです。

私は「娘を応援してね」と言ったのに、子供たちは「娘と私」を応援してくれます。「みんながおってくれるけん、もう安心たい」。今まで言ったことがなかった言葉が、自然と出てきました。「家族みんなの心がつながっている」。この何物にも代えられない仕合せ感を、これから先も味わえるように。子供たち一人一人に「母親」として向き合う決意を新たにしています。

家族で「教え」を学び 正しい関わりを深めることが必要
「家庭」――人が悔いなき人生を歩みきるため 欠くことならぬ環境
 「教え」が家族の心を一つに重ね 支え 補い合って「生きる」心(愛情)を強くする

家族で「教え」を学び
  正しい関わりを深めることが必要
「家庭」――
  人が悔いなき人生を歩みきるため
    欠くことならぬ環境
 「教え」が家族の心を一つに重ね
  支え 補い合って
   「生きる」心(愛情)を強くする

『真実の光・神示 令和2年版』15ページ(中略あり)