(新潟県YK/80代女性/主婦)
几帳面(きちょうめん)な夫と、大雑把(おおざっぱ)で気の強い私。結婚して60年以上になりますが、夫婦げんかの発端は、いつもささいなことでした。3人の子供たちが大切で、家族のために一生懸命なのはどちらも同じ。けれど、夫の言葉にカチンとくれば、「何言ってるのよ」と返さずにはいられないのです。相手が黙れば、私も黙り込み、夫婦の絆を深める努力など、どこ吹く風の生活でした。
神との出会いから少しずつ変化
そんな私が神と出会ったのは、40代の終わりごろ。子供たちの学費のため、仕事に没頭していた時期のことでした。初めて触れた神の教え。「仕合せの基は心安らぐ家庭にある」という言葉が、ストンと胸に落ちたのです。「家族が『帰りたい』と思える家庭をつくりたい」と願いながら、私はどこまでみんなの“心”を大切にしていたか。自分の思いで突っ走っていなかったか…。そう気付けた頃から、謝れなかったり、言わないと気が済まなかったりした性格が、少しずつ変化。やがて夫も信者になってからは、互いに“心の穏やかさ”を意識。一緒に教会図書を読み合わせていく中で、徐々にけんか自体が減っていったのです。
何があっても、すぐ元通りに
それでも、けんかはゼロにはなりません。少し前、肩を痛めた夫に代わり、朝食の支度をした私。気持ちよく引き受けたものの、夫に「こっちを先に」「ほら、これを忘れてる」などと次々に言われて、ついカチン。「ちゃんと仕上がればいいじゃない!」と言い返し、ぶつかってしまいました。けれど、夫婦で思いを通わせ、毎日を“心穏やかに”過ごす積み重ねが、悔いのない人生をつくるとつかんでいる私たち。心の立て直しも早いのです。
傍らでは、夫が「心穏やかに、穏やかに」とつぶやいています。その姿を目にしたら、ちっぽけなことでイラついた自分に気が付きました。すぐに「ごめんね」と伝えれば、「自分もごめん」と返してくれます。“心の穏やかさ”を意識するだけで、言い張ることがなくなって、ほどほどの感覚で過ごせるようになりました。それに、夫の言うとおりにしてみると、確かに漏れも無駄もないのです。そうやって受け止められることが、ありがたくてたまりません。
お互いに居心地の良い関係を
先月は、夫と一緒に庭の梅の実を取り、シロップを作りました。へたを取って、氷砂糖を入れて…。私のやり方を見て、「いい加減だな」とあきれる夫。けれど、「いいのよ。終わり良ければ全て良し!」と笑顔で返す私に、「そうだな」と笑ってくれました。そうした私たちを見ては、「おじいちゃんとおばあちゃんはラブラブだね!」と言ってくれる孫たちがいとおしいです。温かな家庭の居心地の良さを、大切な子供や孫に伝えてあげられるように。ますます夫と心を重ねてまいります。



――仕合せの基は 和のある家庭――
この一言「真理」を
悟れる人であれ
穏やかな心に
人間は「正道」をゆ(歩)く
互いの運命を重ね 支え合う家庭に
人の心は安定し
ますます「実体」は正され
家族それぞれの運命は
磨かれてゆく
家庭の価値がここにある
『真実の光・神示 平成31年・令和元年版』89ページ(中略あり)


