60歳で肺がんを患った夫が、15年の闘病生活を終えて、静かに旅立ちました。夫婦で信者になって、4カ月後のことでした。
家の中での役割を知って
私たちに神示教会のことを教えてくれたのは、兄夫婦です。初めて神の教えを聞いた時、胸を打たれる確かな手応えを感じました。家族を一本の木に例えたら、妻は幹の立ち位置で、家族の心をつなぐ存在とのこと。妻の役割が果たせるように祈願しよう、家族みんなで支え合おうと心が明るくなったのです。
当時、夫は入院中だったものの、体調が回復して退院。ほとんど目が見えない状態でも、私と一緒に手を合わせて、一生懸命祈願します。神の館に行くと、職員が「喜びの声」を読み聞かせてくれて、夫は「いい話やなあ」と感動していました。
家族みんなが「穏やか」に
娘も、離れて暮らす息子も、介護に一層協力的になりました。家族みんなで関わると違います。夫がうれしそうなのです。何かにつけ、すぐ娘の名前を呼び、返事が聞こえると、「何でもない。おったらいいんや」と言います。「お父さんって寂しがり屋だったんや」。娘はそう言って、自分から夫に話し掛けることが増えました。
その後、夫には命の危機が3回も訪れました。危篤なのに、家族みんなが集まると意識が戻る、そんな「家族の力の不思議」を幾度も味わわせていただいたのです。最期の日も、夫は家族が集まるのを待ってくれました。「お父さん、もう何も心配しなくていいよ」「私たちに任せて」と口々に声を掛けると、本当に、本当に穏やかに息を引き取りました。そして、私たちも、穏やかに夫の旅立ちを受け入れられたのです。
「仲良うせえよ」を心に刻んで
わずか4カ月でしたが、信者として歩み抜いた夫。本人が願っていた玉納奉寿(教会葬儀)は、不思議と信者籍を置いてぴったり4カ月の日でした。儀式の中で、子供たちは、「怖かったお父さんが、何を思っていたか分かった」「お父さんの子でよかった」と思いを届けていて、夫の魂も、さぞ安心したと思います。生前の夫の口癖は、「みんなで仲良うせえよ」。私も「その約束、ちゃんと守ります」と、力強く伝えることができたのです。
夫がいない未来を考え、不安だった気持ちは、子供たちのおかげで流れ去りました。そばにいてくれる娘。たびたび顔を見せに来てくれる息子。「ばあちゃん、ばあちゃん」と慕ってくれる孫…。長年、この家は私が支えなきゃ…と一人で頑張ってきましたが、いつの間にか、周りの支えを感じ、そこに感謝を深める自分になっていました。
在籍して間もない私を、こんなにもお守りくださっている神に、心から感謝しています。今月には、神玉園に夫の遺骨を納めさせていただきました。「仲良うせえよ」の言葉を胸に、支え合って生きていきます。
仕合せは 心安らぐ家築けるなれば
家族それぞれ あるべき心(姿)が見えてきて 言葉 態度で味わえる
生きる楽しさ ここにあり
不安も 迷いも 悔いもなし
神の手の中「心」守られ 我が家の姿(人生) 「心の道」につながってゆく
仕合せは 心安らぐ家築けるなれば
家族それぞれ
あるべき心(姿)が見えてきて
言葉 態度で味わえる
生きる楽しさ ここにあり
不安も 迷いも 悔いもなし
神の手の中「心」守られ
我が家の姿(人生)
「心の道」につながってゆく
『真実の光・神示 平成18年版』67ページ(中略あり)