No. 772

義母を悔いなく見送れて
貫いた愛心、愛語の成果
(福井県MU/60代女性/主婦)

義母を見送って2カ月。買い物に行くと、「お義母さん、好きだったなあ」と、今でもつい干し柿を手に取ってしまいます。

本心を感じ取れたから…

38年前に出会った頃の義母は、謝るのも、お礼を言うのも、愛情表現も苦手。いつも家族と言い合いになっていました。驚きはしても、愛心、愛語の触れ合いを意識できたのは、神の教えが常に心にあったから。おかげで、義母に慕ってもらい、夫の転勤で転居した後も、しょっちゅう電話でやりとりが続いていたのです。

義父が入院した時のことです。私が義父の入れ歯を洗っていると、義母が「そんなもん、よく触れるわ」と言います。「えっ?」と思って顔を上げると、その目には涙が…。「ありがとう」の思いが伝わってくるようで、不器用な義母の、心の奥底が見えた気持ちでした。

心が和む家庭をイメージして

昨年、夫の定年退職を機に、認知症が進む義父母と同居することに。住み慣れた地を離れる寂しさや不安もあったものの、神の教えが後押ししてくれました。心が和む、温かい春のような家庭が思い浮かび、「愛心、愛語をかけるのも、互いの心をつなぐのも、命ある今しかできない!」という気持ちになったのです。

朝は、義父母の顔を見て元気よく挨拶。部屋が明るくなるように花を飾り、「この花、分かる?」「昔、育ててたね」など、何かと声を掛けました。やがて、2人とも生き生きしてきました。食事も、「外出の難しい義父母がレストラン気分を味わえたら…」と考え、彩りのよい盛り付けを工夫。すると、「おいしかった。ありがとう!」と、子供のような笑顔になったのです。あまりにもお礼を言ってくれるので、「優しいね」と伝えたら、「だって本当においしいんやもん」とにっこり。家の中が明るく温かい雰囲気に包まれ、私の心も癒やされました。

生きている今、貫きたい!

同居から8カ月。義母との別れは突然でした。朝、身支度を整え、きれいに化粧をして穏やかに旅立ったのです。

心に浮かぶ、「ありがとう」を言う義母の満面の笑み。夫は、「お礼を繰り返したのは、長年の感謝を伝えたかったんだろう」と言ってくれました。私自身、悔いなく尽くせて、爽やかな思いに包まれています。これからも、触れ合う人々のきょう一日が少しでも輝くよう、心からの愛心、愛語を実践したい。この生き方を貫きます。

家族で「教え」を学び 和のある家庭を築く努力をする
 家族一人一人の人生が重なり 関わりを強めて 「心の道」に良き因を残してゆく
人生の終日を迎えた時
    故人も 家族も 共に歩んだ人生に「思い」を返し
      感謝 感動の心を深めてゆく

家族で「教え」を学び
    和のある家庭を築く努力をする
 家族一人一人の人生が重なり
         関わりを強めて
   「心の道」に良き因を残してゆく
人生の終日を迎えた時
  故人も 家族も
   共に歩んだ人生に「思い」を返し
     感謝 感動の心を深めてゆく

『真実の光・神示 令和3年版』64ページ(中略あり)