No. 74

教えで乗り越えた定年間際の危機

(石川県HM/50代男性/会社員)

定年まであと2年というところで異動となり、通常二人で行っていた約300社との取引を一人で担当することになりました。引き継いでみると、前任者と取引先との不正行為が多々見つかり、その修正作業も加わって、体力的にも、精神的にも疲れ果ててしまいました。

そんな中、私のミスで取引先への納品が間に合わないということが起こりました。しかも、そこは不正のあった会社…。先方におわびに伺ったところ、社長にすごい勢いで怒鳴られ、さらに不正を正していたことへの人格否定までされてしまったのです。それでも、ミスをしたのは私の責任。誠実におわびすることに徹しました。

上司にも相談し、一緒にその社長と話し合う中で、何とか事が収まりました。しかも、取引はもう終わりか…と覚悟していたのに、先方から取引継続を頼まれ、驚きでした。上司には「よくあの圧力に耐えられたね。これからも頼むよ」と言われ、しっかり向き合っていこうと思いました。

その後も会社の方針からぶれることなく、いつも真摯な姿勢で接することを心掛けました。神の教えを学び、平静な心でいられるように、神に願いながらの毎日でした。

それから一年半。今は、取引先に行くと、社長が「おー、来たか」とにこにこ顔で迎えてくれます。たわいない会話が弾み、「いつかご飯を食べに行こう」と誘われるほど。時には相談を受けることまであり、過去を思うとうそのようです。

「教えを軸に生きるとこんなことが起きるのだ」と、生きる自信につながりました。定年まであと半年。これからも誠実に生きていこうと思います。