No. 609

おんぶにだっこの夫婦生活
「心が妻」になる努力を
(岩手県TS/70代女性/主婦)

ある日、夫が車庫で車をぶつけ、ぼうぜんと立ち尽くしていました。様子がおかしく、病院に行くと、認知症の兆候があるとの診断。その後、物忘れが進み、頑固な性格が「スーパー頑固」に…。持病があって食事制限が必要なのに、私が止めても食べ続け、運転を反対する息子に、「鍵を出せ!」と怒鳴りつけます。これからどうなるのか…。途方に暮れていました。

自己中な心に気付いて

なぜこんなにオロオロするのか。それは心に軸がないから。神の教えで、物事を見詰められていないから…と、学ぶ中で気付きました。私の心は、夫を心配しているようで、「元気でいてくれないと『私が』困る」と、自己中心的だったのです。

苦労知らずで育った私は、家事は苦手。器用な夫におんぶにだっこの生活を、何十年も続けてきました。でも、家事ができないから、妻の役目が果たせないわけではなかったのです。「心が妻」でいる大切さを、神の教えでつかみました。

目線を変えて見えてきたもの

「私目線」を「夫目線」に変えました。「お父さん、体調はどう?」と声を掛け、食事も「夫はさば缶が好きだから、玉ねぎとあえてバランスを良くしよう」と、私なりに工夫しました。夫は殊の外喜び、「夫目線」で考えるのが楽しくなったのです。

ある日、夫に「ズボンのファスナーを直して」と頼まれました。見ると、何度も自分で直した跡が…。本当は器用な夫ですが、きっと手元がおぼつかず、私を頼ったのでしょう。片や私は裁縫が下手…。でも、心を込めて縫いました。「ありがとう」と言う夫の顔は、すごくうれしそうでした。

夫は穏やかになっていきました。あれほどもめていた運転も、私が「運転できなくなると寂しいよね。でも、事故が心配だし、元気でいてほしいから」と伝えると、すっと免許を返還したのです。夫の「スーパー頑固」はうそのように影を潜めています。

どんどん深まる家族の絆

私が変わり、夫が変わり、次に変わったのが息子です。数カ月に一度しか帰ってこなかったのに、週に一度は帰宅し、車を出してくれます。実は最近、近くのスーパーが閉店してしまい、ご近所からは「困った」との声が聞こえます。でも、私たちは不便どころか、息子が「必要な物があったら言ってな」とますます声を掛けてくれ、そこに仕合せを感じているのです。

独身の息子は、写真が趣味で、カメラが恋人でしたが、最近、何と「結婚するのもいいな…」と言い出しました。私の心が「妻」らしくなったのを見て、そう言ってくれたのかな…と、うれしかったです。

息子の運転で神の館へ行くのが、我が家の恒例行事。帰り道に、息子が「ここの花がきれいだから、見せてあげたい」と趣味の写真も兼ねて、連れていってくれます。「『教え』を心の支えに『生きる』」。神が教えてくださった今年の目標に、少しは近づけたかなあと手応えを感じています。

神示で確認 「喜び」の仕組み

「教え」を学び 身に付け 家族の心を愛(愛心)でつなぐ努力をする
 自然と家族の会話も増え始め 家庭のあるべき心の姿が見えてくる
 夫婦仲良く 信頼を深める家庭には
    自然と親と子の心が重なり 愛が支える思い(期待)が芽吹いてゆく
「教え」が家族の心をつなぎ 悔いなき人生へと導いてゆく

『真実の光・神示 平成29年版』28ページ(中略あり)

神示で確認 「喜び」の仕組み

「教え」を学び 身に付け
  家族の心を
    愛(愛心)でつなぐ努力をする
 自然と家族の会話も増え始め
  家庭のあるべき心の姿が見えてくる
 夫婦仲良く 信頼を深める家庭には
    自然と親と子の心が重なり
      愛が支える思い(期待)が
        芽吹いてゆく
「教え」が家族の心をつなぎ
    悔いなき人生へと導いてゆく

『真実の光・神示 平成29年版』28ページ(中略あり)