No. 608

愛にあふれたデコボコ夫婦
亡き両親の「心の相続」を
(茨城県HT/60代女性/会社員)

両親が他界し、相続も終わって一段落。そんな折、勉強会で学んだ「良い生き方を受け継ぐのが本当の親孝行。先祖供養の姿」という内容が、心に引っ掛かりました。そうだ、形の相続は終わっても、親から学んだ「生き方の相続」はまだできていない! 両親との思い出をつらつら書き出してみたら、びっくりするくらい出てきました。

神の教えで親の見え方が変わる

父は口数が少なく、控えめで、近所の人にガンガン言われても言い返さない人。私は神に出会うまで、そんな父を「弱い人間」と思っていました。でも、近所の人が風邪でもひけば、「お互いさまだからな」と、自分で作った野菜を持って行ったりしていました。絶対に人を悪く言わない姿は、神の教えにも重なっていて、私の中での父が「信念を持った強い人間」に変わっていったのです。

一方、母は父と真逆で言い方が強く、怖い人でした。でも、飼っていた目の不自由な猫をそれは大事にしていて、ある時、私に言いました。「この猫はな、好きで不自由な目になったわけじゃない。だから手助けしてやらないとな。お前は、人にそんな気配りのできる人間になれ」。そうしたささいな思い出も引っ張り出しながら、ぶっきらぼうな言葉の裏にあった、「あったかさ」をしみじみ感じている私がいました。

二人の根底にあった「愛の心」

両極端なデコボコ夫婦。けんかもしょっちゅうでしたが、必ず「ご飯できたよ」「ありがとう。ごちそうさん」の掛け合いはやるのです。子供ながらに不思議で、「けんかはやめたの?」と聞くと、「それとこれとは別だ」と言われたこともありました。

今思えば、二人とも根底に相手を思う愛がある人だったと思います。だから、我が家にはいつも人が寄ってきました。「大丈夫か?」と話を聞いて、帰りに「持たせてやろう」とおにぎりを渡して…。私は、ささいな日常の中で、両親から「愛ある心」をたくさん教わっていたのです。私が相続すべき生き方がここにあった! よかったあ、気付くことができて…。うれしくて、ありがたくて、涙が止まりませんでした。

命ある「今」しかできない!

「ありがとう」が口癖だった両親。まずはここから二人に近づこうと、家の中で努力中です。考えてみれば、夫も父と同じで無口な人。黙って家事を手伝ってくれるので、そこに気付くことと、感謝を伝えることを意識しています。夫は何だかうれしそうで、「ありがとう」の持つ力はすごいな…と思う毎日です。

両親の代からお世話になっている近所の方に、「おじいちゃん、元気?」「これ作ったよ、食べて」とちょこっと顔を出すと、とても喜んでくださいます。「あんたも、あのご両親の子だね」と言われたのは、私にとって最高の褒め言葉です。

これからの人生、両親から学んだ生き方を、今度は私が子供や孫たちに残す番です。生きている今しかできない「生き方の相続」。しっかり果たしていきます。

神示で確認 「喜び」の仕組み

親と子は 共に「心の道」を歩み 共に別れを迎え 縁を深めてゆくもの(存在)
出会いを思い 互いの心に残るもの(力)が「真実の愛」
 「教え」のある家庭に 人は真実の愛を知り 我が「心の道」に良き因を残す人が育つ

『真実の光・神示 平成30年版』100ページ

神示で確認 「喜び」の仕組み

親と子は 共に「心の道」を歩み
  共に別れを迎え
    縁を深めてゆくもの(存在)
出会いを思い
    互いの心に残るもの(力)が
      「真実の愛」
 「教え」のある家庭に
    人は真実の愛を知り
      我が「心の道」に
        良き因を残す人が育つ

『真実の光・神示 平成30年版』100ページ