No. 611

認知症でも消えない優しさ
「家族の愛」の力を感じて
(京都府HI/70代男性/機(はた)織り)

家事も、機織りの仕事も一生懸命。頑張り屋だった妻の様子が、これまでと違ってきました。物忘れが増え、夜中でも「一緒に探して」と起こされます。おかしい…。病院に行くと、認知症と診断されました。

疎遠になった本当の理由

「迷惑掛けて申し訳ない。生きていてもしょうがない」と言い出した妻。その時、不思議と心によぎったのが、離れて暮らしている二人の息子たちでした。電話もなく、長らく疎遠になっていたのです。

父として、子供たちへの深い愛情を持っているのに、どうして距離があるのだろう? 見詰め直す機会になりました。私たちは、長年仕事で忙しく、子供の気持ちを聞くゆとりも、親の思いを伝えることもないまま、ずっと来てしまったのです。

離れていても通い合う心

「親子の交流を取り戻す」。固く決意して、息子たちに連絡すると、「ふーん」とつれない反応。それでも心めげずに、息子家族の近況を聞いたり、妻の様子を伝えたり、自ら関わっていきました。そのうちに、子供の反応が変わってきました。「母さんにうおのめができて痛がってるから、スリッパを替えようかな」と相談すると、「痛い所は、穴を開けたらどうか?」と、一緒に考えてくれるようになったのです。

妻にそんなやりとりを話すと、何ともうれしそうです。長い会話はできませんが、自分で補聴器を着け、息子に電話することもあります。今年は、父の日と母の日に、息子たちからプレゼントが届きました。これまでなかったことで、親を思う気持ちがうれしくて、妻と大喜びしました。

より深まっていく感謝の思い

家族の愛に触れると、こんなに心が元気でいられるんだな。家族って本当にいいなと感じます。今は、私一人で仕事をしていますが、寂しさはありません。妻と一緒にトントン…機を織っている、そんな気持ちになるのです。

料理上手だった妻が、「冷蔵庫を開けても、何を作ったらいいか分からない」と言います。そこで、妻に野菜を切ってもらい、私が炒めたりしています。簡単な物しか作れませんが、だからこそ、妻のすごさがよく分かりました。家族思いで、よく尽くしてくれて…。そのおかげで今があるのだと、日に日に感謝が深まっています。

夫婦仲良く生きる姿を

妻は「お父さんの体が心配」と、自分の体より、私のことを気遣ってくれます。認知症になってもなお、妻の優しさを感じられる毎日が、本当に仕合せです。

先日、妻が70歳を迎え、子供たちが手紙をくれました。「家庭を持って親の大変さが分かり、感謝しています。この家に生まれて本当によかった」。込み上げるものがありました。私たち夫婦の「仲の良い姿」を子や孫にたくさん残していきたいです。

神示で確認 「喜び」の仕組み

「教え」を学び 家族との関わりを深める努力をする
 自然と「教え」の意味が見えてきて 「人生」なすべきことが鮮明になってゆく
人が「生きる」真の生きがい 家族の愛を感じて「生きる」真の喜び
 有限の時代を「生きる」 今なればこそ味わえる 尊き体験が 「人生」にはある
 良き因を「心の道」に残し 「開運」をかなえる人の歩みが ここにある

『真実の光・神示 令和2年版』106ページ(中略あり)

神示で確認 「喜び」の仕組み

「教え」を学び
  家族との関わりを深める努力をする
 自然と「教え」の意味が見えてきて
  「人生」なすべきことが
    鮮明になってゆく
人が「生きる」真の生きがい
  家族の愛を感じて
    「生きる」真の喜び
 有限の時代を「生きる」
  今なればこそ味わえる 尊き体験が
    「人生」にはある
 良き因を「心の道」に残し
  「開運」をかなえる人の歩みが
    ここにある

『真実の光・神示 令和2年版』106ページ(中略あり)