No. 470

心の殻を打ち破る!
神が下さった真の仕合せ
(青森県MN/80代男性/無職)

「自分を抑えて相手に合わせる人生」でした。子供の頃から吃音(きつおん)がある私は、どもったり、つっかえたりして言葉がうまく出せません。どうせ分かってもらえないから…と、気が進まないことでも、周りに合わせてただうなずくだけ。私の苦しさなど、誰にも分かるはずがないと思っていました。

出会いを大切にしている?

結婚してからも、相変わらず無口な私。でも、妻はマシンガンのように話し掛けてきます。「おいしい?」「辛い?」「甘い?」と。やっぱり自分の気持ちを伝えられるようになりたい…。妻が愛想を尽かすことなく声を掛け続けてくれたおかげで、私の心は少しずつ変化していきました。

その頃、神と出会い、夫婦で信者となりました。「人生は、一つ一つの出会いを大切に生きること」と学んだ時は、衝撃を受けました。「吃音だから」と思いを伝えず、人に合わせるだけの自分。私は、ちっとも出会いを大切にしていなかったのです。

妻が味わわせてくれた「喜び」

「出会いを大切にしたい。ひと言でもいいから気持ちを伝えたい」と神に願い、努力しました。ある日、妻と外食した時のこと。おいしそうに定食を食べる妻を見て、ふいに言葉が出てきました。「おいしいかい?」妻は、満面の笑顔を返してくれました。仕合せでした。この瞬間、私は「伝える喜び」を身いっぱいに感じたのです。

妻だけでなく、周りの人にも、だんだん話せるようになっていきました。とはいえ、スラスラ…ではなく、ひと言ずつ、単語でしか言えません。でも、話そうという気持ちが前に出て、言葉も出てくるのです。「んだな」と相手に共感しながら、自分の考えも伝えていく。すると、相手も私の気持ちを「んだな」と受け止めてくれます。それがうれしくてたまらないのです。

人との関わりが楽しくなってきて、カラオケ愛好会に入りました。自分が歌うのはもちろんですが、皆さんが歌いたい曲に合わせて、楽譜を用意したりするのも楽しい時間。仲間の「いつもありがとね!」の言葉に、私の方が喜びを頂いています。

独り身でも大勢の人に囲まれて

3年前、最愛の妻を見送りました。一人になった私を、今、多くの方が支えてくださっています。埼玉に住む弟は、週に何回も連絡をくれ、たわいない話が弾みます。弟の嫁が「足りない物はありませんか?」などと気に掛けてくれるのも、ありがたいこと。さらに、近所の畑仲間は、妻の友人です。妻がつないでくれた縁…と、大切に思っています。

先日、知人に「元気ですごいな。怪物みたいだな」と言われました。もし、神と出会っていなければ、私は孤独の人生を送っていたでしょう。私の目標は、「人に尊敬され、信頼され、慕われる人柄になること」まだまだできることはある! 生涯神と共に歩み続けます。