No. 369

“もうひと言プラス”で
取り戻した夫の元気
(新潟県KK/60代女性/主婦)

夫は、鍛造工の職人です。1000℃以上ある加熱炉の前で、1.5トンのハンマーを操り、鉄をプレスする仕事をしています。危険が伴うため、厚着の作業着に、軍手を3枚重ねたいでたちです。

私は、毎朝4時に起き、夫のお弁当を用意します。栄養や疲労回復を考え、彩りも工夫。でも、心の中では、時折「あ~面倒くさい!」とつぶやいていました。

「心から」の大切さに気付いて

猛暑が続いたことしは、9月に入っても35℃を超える日が続きました。

「きょうは仕事帰りに温泉に寄って、休んできていいか?」。ある日、そう言う夫の顔は、表情が弱々しく、心が負けそうな切なさが伝わってきました。職場へ向かう後ろ姿に涙があふれ、「妻として支えられるように」と、神に願いました。

「信者心の基勉強会」を学び、気付きました。夫は自分の力を目いっぱい発揮して、誠実に社会に貢献しているのに、私は夫のためといっても、形ばかりで、心からの感謝がなかったのです。それどころか、夫を見下すような態度を取り、強い口調で事を荒立てることもあった自分を反省しました。

会話のある家庭の力を実感

夫を支えるために何ができるか? 参考にしたのは、公式サイトの「心のトレーニング」です。「『ありがとう』にひと言添える」を応用して実践してみました。

「行ってらっしゃい」にプラスひと言。「ビールを冷やしておくから頑張って!」。「お帰りなさい」にプラス、「暑かったでしょう? お疲れさま!」。ねぎらいの心を込めて、言葉を添えました。

帰宅すれば、いち早くお風呂で汗を流してもらい、キンキンに冷やしたビールで乾杯。お酒のお供にしたのは「会話」です。とにかく家ではくつろいでほしくて、日中のつらさを忘れられるくらい、楽しい話題を盛り込む日々でした。

暑い日は続いていたものの、夫は、どんどん元気を取り戻していきました。人は心で生きている。心が健康で明るく過ごすために、「家庭」が果たす役割の重要さ。夫の心に寄り添う会話の大切さを体感したのです。

毎日、夫との会話が弾んでいます。夫がいてくれること、仕事があること、健康で働けること。決して当たり前ではなかったと感謝でいっぱいです。今、手にしている日常を大切に生きていきます。