No. 1425

見えない遠慮を乗り越えて
格段に深まった夫婦の絆
(東京都TM/60代男性/事務補佐員)

「ああ、良かった」。体中から力が抜けて、一気に呼吸が深くなった感覚が。何とも言えない安心感は、妻と「二人で」診察に臨んだからこそ、味わえたものでした。 

思わずこぼれた「心の声」

妻の病院通いが始まったのは、6年ほど前のこと。胆石で緊急入院を繰り返し、胆のうを摘出。続いて、卵巣の炎症で手術。さらに鎖骨の痛みは、「膠原(こうげん)病の疑い」と経過観察に。その中で見つかった腸のポリープ。「内視鏡で手術を」という医師の言葉に、思わずこぼしてしまった「また入院?」。このひと言が、妻にどう響いたか…。私は後から知ることとなりました。 

大きな衝撃を受けた体験談

妻は腸の手術中に、もう一つポリープが見つかって、ことしの3月にも手術をすることに。気掛かりを抱えながら開いた、『心の旅路』の最新刊。ある体験談に衝撃を受けました。「心配を掛けるから」と言葉をのみ込まず、夫婦は「何でも」話すこと。夫婦の心が重なるほど、回復力が引き出されていく。そうなのか! 抱え込み、苦しかった自分に、勇気が湧いてきたのです。 

すると、私の変化を察したように、妻が打ち明けてくれました。「『夫婦の会話が大切』と学んでいるから、伝えるね。『また入院?』は寂しかったし、少しだけ怖かった」。傷つけたことを謝りながら、私も胸の内を語りました。かつて家族の入院中に、仕事で大きなミスをして、そのつらさが残っていた…と。まず、相手の思いを受け止める。そして、自分も隠さずに本心を伝える。見えない遠慮を乗り越えて、「夫婦の会話」ができた実感がありました。

思えば、私は妻に、返しきれないほどの恩があります。がんを患い、生きるか死ぬかの時も、ずっと寄り添ってくれました。だから今度は私の番。「一緒に頑張ろう」「支えるからね」と伝えると、妻はほっとした表情に。それがうれしくて、家事にも思いが入ります。変化は子供たちとの関わりにも。一方的な言い方に気を付けて、「一緒に考えよう」と接していったら、就職活動を控えた長男が、「気持ちが楽になった」と喜んでくれたのです。もともと家族思いだった次男も、今まで以上に家のことを手伝ってくれるようになりました。 

夫婦、家族が一つになって

2月末、数カ月ぶりに膠原病の診察が。受診するのは妻でも、「二人で」という思いです。だから診察前には、今の気持ちや「今後どうしたいか」を、お互いに納得するまで話し合いました。医師の診断は、「膠原病ではないと思う」。そのひと言で、一気に緊張が解けました。妻も同じだったのでしょう。思わず、二人で「良かったね」とアイコンタクト。「また入院?」の時から格段に深まった、夫婦の絆を感じました。 

神の教えを家族で学んでいればこそ、病気であっても人生好転のきっかけにできるありがたさ。先日妻は、2度目の腸の手術も無事に終え、退院することができました。共に過ごせる喜びをかみしめる日々。いつも、まずは夫婦「二人で」の心を大切に、家族と過ごしていきます。

自ら「教え」を学び 身に付け
   家族の心を愛でつなぐ努力をする
 自然と家族の会話も増え始め
  家庭のあるべき心の姿が見えてくる
 夫婦仲良く 信頼を深める家庭には
  自然と親と子の心が重なり
    愛が支える思い(期待)が
            芽吹いてゆく
「教え」が家族の心をつなぎ
     悔いなき人生へと導いてゆく

『真実の光・神示 平成29年版』28ページ(中略あり)