No. 1421

夫が残してくれた
心が通い合う家族
(石川県ES/70代女性/パート)

今年1月に、夫を見送りました。がんで入退院を繰り返していた夫は、家族みんなの意向で自宅療養に。全員の心が一つに重なる中、明るい毎日を過ごすことができました。でもそれは、我が家にとって決して当たり前ではなかったのです。 

家族がバラバラだった理由は…

「家族の心がバラバラ」ずっと前から思っていました。70歳を過ぎても働きどおしだった私は、外では人のために一生懸命。でも、家では、夫になかなか心をかけられません。そうした環境で育った子供たち3人は、きょうだいげんかをするわけではないけれど、仲は良くなく、お互いに話もしない。私はそれを寂しく感じていました。 

でも、どうすればいいか分からない。自分を変えられない…。そんな時、知人の勧めで教務相談へ。見えてきたのは、夫を立てることも、支えることもせず、何でも一人で決めて、結果を報告するだけだった自分の姿。妻なのに…と、反省しきりでした。「お父さん、ずっと我慢させてごめん。言葉もきつかったよね」。思い切って謝ると、「性格だからしょうがないな」という優しい返事。私はどれだけ夫に許されてきたのか…。少しずつ食が細くなり、入院期間が長くなっていく中、「心が通い合う夫婦になりたい」と、本気で思いました。 

夫婦が重なると、子供も変化

「お父さん、どう思う?」「お父さん、どうしよう」どんなことも、まずは相談するように。夫は、家族のことを懸命に考え、答えてくれました。子供たちにも、病状のことなど何でも伝えていくと、どんどん心が重なっていく手応えがありました。 

医師から余命を宣告された時も、すぐにみんなに相談。全員が、「お父さんのそばにいたい」「自宅で見よう」と迷いはありませんでした。私が、「仕事を辞めて、看護に専念したい」と話すと、「お金のことは心配しないで」「私も手伝うよ」と。娘にお世話をしてもらう夫は、恥ずかしそう。でも、とてもうれしそうでした。「3人ともいい子に育ってくれた」と、何回口にしたか分かりません。 

いつの間にか、子供同士も会話が弾み、笑い声が響くまでに。家族が一丸となることによって、満たされていく心。余命宣告を受けたとは思えないほど明るい我が家で、味わったことのない喜びを感じました。それは夫も同じだったと思います。私にも、子供たちにも、「ありがとう」を繰り返していました。 

仲の良い家族の姿を子孫へ

最期は、家族や親戚など、お世話になった大勢の人たちに見守られる中、穏やかに穏やかに息を引き取りました。明魂祭(後日の葬儀)では、神が夫の魂を包み込んでくださっているのを実感。「お父さん、ありがとう。神の御元で安らかに眠ってね。私たちは家族仲良く過ごしているから、安心してね」と、心からの思いを伝えました。 

子供たちは、その後も何かと私を気に掛けてくれ、家の中には笑顔があふれています。お父さんがしっかりとつないでくれた家族の縁を大切に。心の通い合う姿を、子に、孫に、必ず受け継いでいきます。 

「家庭」――
  人が悔いなき人生を歩みきるため
         欠くことならぬ環境
 家庭の真実「真理」を知って
    「真理」に生きる家庭を
       今こそ築く努力をする時
 「教え」が
   家族の心を一つに重ね
    支え 補い合って「生きる」
        心(愛情)を強くする
 「真実の愛」に生きて 人間は
      天命を全うできるのである

『真実の光・神示 令和2年版』15ページ(中略あり)