長年尽くし続けてきた私を、何と夫は「きかん坊」扱い。でも、確かに、私は短気で我が強い性格。夫の心が、外へ外へと向かってしまう原因はそこ。この気付きが、夫婦の人生を大きく変えてくれたのです。
不満が募った結婚生活
「思いのままに生きてきて、お父さんに悔いなんてないでしょう」。私の言葉に返ってきたのは、「ああ、いつ死んでもいい」。この繰り返しが、私たち夫婦の53年でした。
夫は自由過ぎる人。ツーリングが趣味で、バイクを何台も買い替え、仲間と出掛けてばかり。なのに、家族で旅行したことは一度もありません。不満が募り、男勝りの性格がどんどん色濃くなりました。頼んだことをすぐにしてくれなければ、「私がするから」。してくれても思いどおりでないと、「もういいわ」。夫婦の大切さは、神の教えを学んで重々承知していたつもりでも、心が言うことを利きませんでした。
不思議と変わった夫への気持ち
そんなある日、遠くに散歩している夫の姿が見えました。背中を見ながらよぎった、「長い間、家族のために精いっぱい頑張ってくれた」という思い…。「人生は有限。夫とも、いつか別れの時が来る。それなのに、何という生き方をしてきてしまったのか…」。なぜ急にそんな気持ちになったのか。「変わりたい」と救いを求め続ける思いを神が受け止め、チャンスを下さったのかもしれません。涙があふれ、愛の心で夫に関わっていくことを、あらためて決意したのです。
我が子のためにも夫と仲良く
それからわずか数カ月、我が家の雰囲気はがらりと変わりました。夫が家事を手伝ってくれれば、「ありがとう。こんなにきれいにしてくれて助かった」と、心から感謝。自分の思いどおりかどうかなど、一切気にならなくなりました。夫の方から、「洗い物しとくから大丈夫だよ」などと声を掛けてくれることもしばしば。反発心が見えなくしていた、素直で、優しく、仕事熱心、夫の本当の姿です。夫婦で出掛けることも増えました。
「あとどのくらい生きられるか分からないけれど、一緒に明るく仲良くやっていこうね」。先日、夫に伝えたら、「心配で置いていけないから、お母さんを見送って…。そうしたらすぐに行くからね」と。じーんとしました。
あの時、目が覚めて本当に良かった。同じような道を歩んでいた娘も、「私、夫を尊敬してる。みんなのために朝早くから頑張ってくれて…」などと言うのです。親である私たち夫婦の生き方が、良くも悪くも我が子に受け継がれていく。その緊張感を持って、しっかり夫と向き合っていきます。
有限の命(人生)を
夫婦で支え 補い合う
「歩み」を貴ぶ二人であれ
夫婦仲良く
互いの運命を重ねて歩む
姿(人生)に
家族の心は安定し
家族それぞれの運命は磨かれ
実体は高められてゆく
「心の道」に良き因を残し
栄える家庭の姿が
ここにある
『真実の光・神示 令和2年版』86ページ(中略あり)