「努力賞をあげる」。昨年、結婚50年の節目に受けた儀式での夫の言葉です。あの寡黙な人がこんなことを言うとは…。「頑張りを見てくれていた」と感動。「二人で、笑顔の絶えない家庭にしていきたい。そのためにも、もっと妻らしく、夫を支えていこう」という思いが込み上げました。
「夫を正そう」を反省
夫は「話をしない人」。だから、私が一方的に話す。返事は「ふーん」。私たちは、会話のキャッチボールができない夫婦でした。しかも、返事をしたと思ったら、「◯◯やろが!」「◯◯せろ!」。佐賀弁で言われると、余計にきつく聞こえます。だから、いつも心のどこかで思っていたのです。「どうせ夫に言ったって…」。
それでは私は? ある時、夫を正そうと、「温かく、穏やかに、おおらかに…」などと書いた紙を壁に張り、「読んでね」と言ったことがありました。今思うと、どれだけ上から目線だったか…。しかし、そういうところは素直な夫。「なるほど」と笑顔で読んでいる姿に、「私にも修正点がたくさんあるのに…」と反省したのです。
修正点に気付いて実践すると…
言い過ぎ、命令口調…。神の教えを学ぶほど、自分の姿が見えてきます。これではいけないと、言い方に気を付けるように。食事一つも、「用意したよ! 食べて!」ではなく、「できてるよー」と柔らかく、柔らかく…。そうしたら、夫も穏やかな話し方をすることが増えてきました。
もう一つ見えたのが、会話のキャッチボールができなかった理由。私に足りなかったのは「聞く心」でした。夫の「きょうは、こうだった」というひと言を聞き逃さずに、「大丈夫だった?」などと尋ねれば、ちゃんと思いを返してくれて…。時に、夫が不満や愚痴を口にしたときも、「それは違う」ではなく、「大変だったね」。そこに、会話も膨らんでいくのです。相手に温かい関心を示す。話を最後まで聞く。自尊心を傷つけない。頭にはしっかりインプットされていた神の教え。ようやく今、実践の手応えを感じています。
夫の良さを感じられるように
夫は定年退職後、地域の役員を引き受けました。「地域の皆さんのために」と、強い責任感で一生懸命。会話が増えたから感じ取れた、夫の良さです。近所の人からも、「優しかよー」「よくやってくれてー」などと言ってもらい、尊敬心が膨らみます。
結婚50年にして、夫に向ける気持ちがこれほど変わるなんて…。儀式をきっかけに、夫への感謝も、夫婦の絆も深まり、感謝しかありません。次は、85歳の長寿のお祝いを、夫婦そろって、飛び切りの笑顔で受けられるように。夫との会話を楽しみながら、もっと縁を深めていきます。
縁を深める極意は一つ
――会話を楽しむ――
会話の「真理」 見えていようか
奉仕心に生きるなら
自然と「愛」が芽生え
互いの心(運命)は
交わり 重なり
互いの思い(実体)も
解け合ってゆく
『真実の光・神示 平成27年版』100ページ(中略あり)