養女として育った私は、心の芯にどこか、満たされない寂しさがありました。20代になって出会った夫は、駄じゃれが大好きで、一緒にいると心から笑える楽しい人…そう思って結婚したのです。
しかし、結婚してみると、夫は大のお酒好き。仕事には真面目でも、家ではだらしないのです。場の空気が読めない冗談に「ふざけないで!」と、受け入れられなくなりました。その上、不器用。電球を取り換えれば、落として割ってしまいます。「男なのに、こんなこともできないの?」と責める私。子供たちも父親を嫌うようになり、やがて夫は冗談を言わなくなりました。私も心の底から笑えないまま、48年が過ぎていました。
夫が変わることを求めていた
神の教えには、いつも「夫婦仲良く…」とあります。「夫さえ変われば、仲良くなれるはず…」とばかり願ってきましたが、ある時、自分の祈願のズレに気付きました。「自分は夫に好かれるような妻だった?」。「愛される妻になりたいです」と真剣に祈願をするようになりました。
自分の心に驚くような変化が
すると、「私にできることは、私がやればいいんだ」と心が動き始め、夫を責める心は徐々に消えていったのです。まさに奇跡。自分でも驚くような、大きな心の変化を味わったのです。
振り返ると、夫は優しい人で、私のことを大事にしてくれました。子供と意見が分かれた時も、間に入りながら、私に寄り添ってくれたり…。了見が狭く、思いの強い私を、大きな目で見ていてくれていたのです。私の方がずうずうしくて、夫の方が大人。同時に、「どんなに寂しい思いをさせただろうか」と、心から申し訳なく思いました。
笑いの絶えない仕合せな毎日に
「夫の気持ちを分かりたい」という思いで、話に耳を傾けるほど、夫なりの思いや考えが見えてきます。冷たかった夫婦のやりとりが、少しずつ温かな笑いに包まれるようになっていきました。
そして先日、「生まれ変わっても、またお前と一緒になりたい」と言ってくれたのです。前は「お前の性格が嫌だ」と口にしていたのに…。それは「冗談だった」と。うれしくて、私も「一緒に長生きしたいね」と伝えました。
娘も、「けんかばかりしていたけれど、変わったね」と喜んでくれています。私たち夫婦が仲良くなったら、子供たちも、孫も、夫とよく話をし、慕っています。
48年…長い時間はかかりましたが、起きてから寝るまで、夫の冗談に笑い転げ、楽しい日々を送っています。夫婦の心の重なりが、こんなにも大きな力を秘めているとは…。ずっと願い求めていた仕合せを、今、かみしめています。
――仕合せの基は 和のある家庭――
支え 補う気持ちを忘れてはいけない
――出会いに感謝し 思いを語る――
家族の心重なり合うほど 真の「仕合せ」 我が家に根付くと申す
――仕合せの基は 和のある家庭――
支え 補う気持ちを忘れてはいけない
――出会いに感謝し 思いを語る――
家族の心重なり合うほど
真の「仕合せ」
我が家に根付くと申す
『真実の光・神示 平成23年版』115ページ(中略あり)